もれなく時間にルーズ

ネパール人の時間のルーズさに、時間厳守で育ってきた日本人としては対処法に困ることが良くあります。

もれなく時間に無頓着なネパール人の行動は、約束の時間を守るとか計画通りに事を進めるという概念がありません。

学校の先生でも政治家でも医者でも皆同じ、全員ネパール人ですから時間通りに物事が進むことはなく、だからと言ってそこをツッコむネパール人がいるわけでもなく、ダラダラと納まりが悪いまま時間は過ぎて行きます。

時間を守らなくても問題なし

時間を守ることが、お互いの信頼度を深めるという法則は成り立ちません。逆に、時間を守らないことで双方の関係性が壊れるということもありません。時間を守らないことで人間関係が崩れることはなく、何もなかったかのように同じような関係性が続くというのがネパール人の特徴です。

「もうすぐ着く」は、いつ来るか不明

今日来る予定のネパール人に携帯で都合を聞くと「もうすぐ着く」という答えが返ってきます。この返答はほぼ100%当てにならないため、自分の用事は時間に関係なくマイペースに進めておくのが基本です。「もうすぐ着く」と答えた人に対しては、1週間以内には来るんじゃないかなぁ?くらいのスタンスで待っていると腹も立たなくなります。

時計の時間がぜんぶ違う

ネパール人の家の壁かけ時計や、出かけ先で見かけるお店や銀行などの時計は、全部オリジナルな時間になっています。そもそも時間通りに行動する習性がないので、時計の時間を気にしている人もほぼいないようです。30分ズレてる…10分遅れてる…止まっている時計…そんなズレまくっている時計とネパール人のルーズな時間感覚が合い混ざって、結局のところ時間通りに行動できるはずのない理由ができてしまう、そんなネパールです。

早起きで早寝のネパール人

とにかく朝に強いのはネパール人の特徴です。ネパール人の朝のルーティーンは、日の出直前に起きて玄関先の掃除をする、またはお寺に出かける、または朝市に出かけるなど積極的に動いているネパール人の様子が特徴的です。また、夜の消灯時間も早めで、特にナイトライフが充実しているわけでもないネパールでは、夕食が済んだら早めに寝るというのが一般的です。時計の時間に合わせて行動するよりも、日の出と日の入りのサイクルに合わせて行動しているかのように見えてきます。

走らない、急がない、慌てない

走っているネパール人をあまり見たことがありません。車に引かれそうになっても堂々と牛を連れて歩道を横切るネパール人もいます。ネパールには、正式な横断歩道がないため、車と歩行者がスルーし合いながら歩道を横切るのが通常です。赤信号になりそうだから駆け足で進むということはなく、いつでもどこでもダラダラと横切って歩道を歩きます。

早めに諦めてしまうから時間も気にしない

時間をせかしてあれこれ慌てている姿や緊急事態にあたふた急いでいる姿は、ネパール人から想像できない行動パターンです。なぜそんなにのんびり構えていられるのだろう?と不思議にも思えるのですが、もともと時間のとらえ方が違うことと、普段の生活環境が厳しいネパールでは、早めに諦めてしまった方が良いと考える人が大半で、無理に時間とお金を使って対応策を考えるよりも、時短で諦める方法を選ぶのがネパール人です。

毎日同じ時間に牛乳配達

稀ですが、時間通りに働く例外のネパール人もいます。時間に正しく行動しているネパール人は際立ってスゴイ!と絶賛したくなるほど貴重です。牛乳屋の配達人は毎朝5時~6時までに各家庭に搾りたての牛乳を配達してくれます。春夏秋冬、多少の時間のズレがあるものの、毎日配達が滞りなく継続しているのは頼もしい限りです。

この牛乳配達のネパール人が、なぜ?規則正しく働くことができているのかは、雇い主の人柄やお店の人気からも伺えますが、やはり良い労働環境には良い人材が集まることは、ネパールでも同じであるようです。

圧力をかけてくる時間はない

ネパールでは、早くしないと遅れてしまうという圧力はどこからもかかってきません。周りからの後押しがないため、慌てることも無くゆったりとした環境があります。

時間をせかされることがないネパール人は、小刻みに時間を気にすることがなく永遠に続く時間感覚を持つことが自然に身に付いています。

生まれてきた環境というのはとても重要で将来に影響のあるものです。ただし、海外で長く違う文化や習慣の中に置かれていると、母国以外の環境に順応できることもあれば、努力して合わせることができるようになる場合もあります。

さいごに

ネパール暮らしの経験から、ネパール人の時間にまつわる内容をまとめてみました。

日本で生活し働くネパール人も同じように、日本とネパールの習慣と文化の間で揉まれて、だんだん日本社会に対応できるようになってくる人もいるでしょう。ネパール人を企業で雇用の際は、ある一定の期間を設けて、習慣や文化による相違を少しづつ埋めていけると理想的です。日本人とネパール人が、努力して歩み寄ることと、自然と受け入れられることを分けて対応すると良いかもしれません。自分を変えることは時間のかかることで、柔軟に対応できることとできないことが皆あるはずですから。

この記事を書いた人

shyu

海外在住ライター/ネパール国籍の配偶者と日本国籍の息子と日本人の私の3人家族。カトマンズに12年暮らす。 海外に住むということは、国籍はもちろん生まれも育ちも違う者どうしが、なんらかの関係性を保ちながら生きる修行をしているようなもの。 今後、日本で暮らし働く外国人が増えて行くことが予想される中、その動向を外国人の心情に寄り添った視点で発信していきたい。

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