日本と異なる点も多いベトナムの学校制度
2021.11.10
ベトナム
日本と異なる点も多いベトナムの学校制度

ベトナムの学校制度はおおむね日本と同じですが、義務教育の年数などに若干の違いがあります。ベトナムでは6歳から初等・中等教育がスタート。義務教育は、小学校は5年間、中学校は4年間の合計9年間、進学すると高等学校に3年通います。ベトナムでは都市部と農村部の教育格差があり、公立学校でも無償化されていないため、高等学校まで進学できるのは都市部に住んでいる一部の子どもに限られます。

ベトナムの学校制度①:教育施設の不足が課題

ベトナムの義務教育期間は、小学校入学から中学校卒業までの9年間。学年制度は一貫制となっており、第1学年から第9学年までで構成されています。

都市部では午前と午後に分かれて登校

ベトナムの学校の学期は9月から始まります。年を越した旧正月の1月下旬までが1学期。そのあとの6月までが2学期です。7月から8月にかけては猛暑になることもあり夏季休業となります。農村部など貧しい地域の子どもは小学校の課程が終わる第5学年で就学を終え、家計を助けるために働きだします。

都市部は人口が集中していることもあり、小学校や中学校に子どもを収容しきれない状態に陥っています。さらに日本のような学区制がないため人気のある学校に生徒が集中。生徒は午前と午後に分かれて登校していますが、それでも1クラス50人を超えます。教師の数は不足しており、きめ細やかな教育は行われていません。

日本語学習に力を入れるベトナム家庭も増加

ハノイ、ハイフォン、ホーチミンなどの都市部には、日本語を学べるクラスがある中学校や高等学校があります。日本語クラスは人気が高く、一定の学力があるベトナム人しか入れません。ただ、ベトナム人日本語教師の質はまちまちで、日本で暮らした経験がある生徒のほうが、日本語に長けていることもあります。そのため、学校が終わったあとに日本人の教師がいる日本語学校に通うベトナム人も少なくありません。

ベトナムの学校制度②:小学校は日本人より早くに入学

ベトナムでは、小学校に入学する年齢は、その年の12月に6歳になる子どもとされています。入学日は基本的に9月5日。そのため日本とは異なり、5歳で小学生となるケースもあります。

幼稚園はモンテッソーリ教育が人気

ベトナムは共働きの家庭が多いため、幼稚園に通う子どもが増えています。6割が公立、4割が私立です。私立の幼稚園ではモンテッソーリ教育の実践を謳うところが多く、無機質な建物が多い小中学校とくらべて、カラフルでかわいらしい雰囲気が特徴です。幼稚園に通えるのは3歳から6歳のあいだになります。

小学校は朝の7時からスタートすることも

ベトナムの小学校の門の前は、朝の7時から8時にかけて、たくさんのバイクでごった返します。午前組と午後組に分かれるため、日本よりも早く始業するからです。朝ごはんを食べる時間がない子どもも多く、始業前の小学校の門のまわりには、朝食を売る屋台が多数出現。学校が終わる17時ごろも、子どもが好みそうなおやつを売る屋台があらわれます。

ベトナムの小学校の必須科目は、国語(ベトナム語)、外国語(主に英語)、数学、自然、歴史・地理、科学、体育、芸術、倫理、生活、情報技術。とくに小学校で力を入れられているのが外国語と情報教育。小学校の3年生からコンピューター関連科目がスタートし、早期からプログラミング言語を学びます。日中は猛暑となるため2時間ほどの「昼寝」の時間があります。

ベトナムの学校制度③:中等教育は中学と高校の二部制

ベトナムの中等教育はふたつに分かれており、前期が中学校、後期が高等学校に相当します。義務教育は前期中等教育までとなります。

中学校教育は第6学年から第9学年までの4年間

中学校は第6学年から第9学年までの4年間。日本と比べると、小学校が1年少なく、中学校が1年長くなります。必須科目は、文学、数学、外国語、歴史・地理、自然科学、体育、芸術などに加えて、市民教育、テクノロジー、情報教育などが加わります。

ベトナム人は数学に長けている子どもが多く、国際数学オリンピック上位入賞者の常連。数学の教育内容は日本よりも難易度が高い印象があります。高学歴を目指して塾通いをする子どもがいる一方、卒業後を見据えて職業訓練を始める子どももいます。

高等学校の卒業時には国家試験が実施される

ベトナムの高等学校は10学年から12学年までの3年間。公立と私立があり、どちらも入学試験が実施されます。卒業前にも試験があり、大学の入学試験を兼ねた国家試験と位置づけられています。これまでは、卒業試験に落ちると中卒扱いとなりましたが、今は修了証明書が発行されています。

高等学校の必須科目は、文学、数学、第一外国語、経済・法律、歴史、地理、物理、化学、生物学、芸術学など。そのほか、情報教育、デザイン技術、国家安全保障などの応用的な教育も行われています。第二外国語、課外活動、職業訓練などを選択することもできます。経済的にゆとりのある学生は国内外の大学に進学します。

まとめ

ベトナムの進学率は経済格差と密接にかかわっているため、高校や大学に進学していないからと言って、学力や意欲が低いとは限りません。働きながらお金を貯めて、20代後半で大学や専門学校に進んだり、日本に留学したりするケースもあります。そのためベトナム人の雇用を検討するときは、個々の事情を鑑みて適性を見極めることをおすすめします。

執筆者:ひこすけ

大学にて10年間勤務したのち、ベトナム現地企業にて、地方中小企業の販路拡大支援に従事する。大学では留学生、ベトナムでは現地スタッフ指導経験あり。日本語教育にも関わっていました。現在はライターとして活動中。

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