外国人社員の帰省シーズンについて~ネパール人の一時帰国は「ダサイン・ティハール祭り」に~          - ユアブライト株式会社
2021.10.14
ネパール
外国人社員の帰省シーズンについて~ネパール人の一時帰国は「ダサイン・ティハール祭り」に~         

外国人を雇用している企業では、外国人の帰省シーズンに合わせて一時帰国の時期を把握しておきたいものです。外国人労働者に多いアジア諸国出身の外国人社員のいる職場では、各国の習慣と行事に合わせた休暇を与えるための労務管理も必要です。

例えば、旧正月に長期休暇をとる中国、台湾、韓国、ベトナム、シンガポール。4月の水かけシーズンに休暇をとる仏教国ミャンマー、スリランカ、カンボジア。ラマダン月に休暇をとりたいイスラム教徒のインドネシア。南アジアのネパールでは、9月から11月のダサイン・ティハールシーズンに、帰省の計画が必要となるでしょう。

今回はネパール人社員を雇用している場合に役立つ、ネパールの帰省シーズンとなるダサイン・ティハールについて紹介していきましょう。

家族が集まるダサイン祭り

ダサインは、家族と共に過ごす15日間のネパールの祭りです。ダサインの時期が近づくと、海外に出稼ぎや留学しているネパール人、海外在住歴の長いネパール人の帰省ラッシュが始まります。また首都カトマンズに住む地方出身者は長距離バスで実家へ帰るため、カトマンズの人口がこの時期に減少する傾向があります。

実家を離れた子供たちが親元へ戻り、ご馳走を作って食べたり、お寺に参拝に出向いたり、一年に一回の家族との再会を楽しみます。

ネパール人の家族の絆は濃く、普段からジョイントファミリーで暮らす大家族の家庭も多く、ダサインの時期には、この大家族に加えて親せき一同が集まるため、どの家庭からも賑やかな笑い声が聞こえてきます。

ダサインの間は、ネパール全土が祝日となり、会社、学校、お店などはすべて休みとなります。ダサインの間はネパール人全員が休みモードで、日本の正月のように毎日、飲んだり食べたり、親せき周りに忙しく過ごします。

親せき同志の交流の中で、欠かせないのがネパールの習慣でもあるティカです。ティカは、おでこの中央に赤い粉を付ける祝いの印であり、ヒンズー教徒の習慣としてお祭りの時は必ずティカを行います。

ダサインのメイン料理はヤギ肉料理です。ネパール語ではカシと言い、カシを一匹調達して家の敷地内で裁き、ご近所同士で分け合うのが一般的です。ダサインのヤギ肉料理は、スパイスをたっぷり使って調理します。

ダサインでは、カシの臨時市場ができるほどカシの需要が盛んになるシーズンです。

ダサイン祭りの由来:ヒンズー教のドゥルガ女神によって水牛に変化した阿修羅を退治したことで善が悪に勝ったことを祝うお祭りです。

ダサインからティハールまでの長い休み

ダサインが終わると2週間後にティハール祭りが始まります。ネパール国内では、ダサインからティハールの時期は長い休みが続き、ネパール人の働き方がひどく鈍る時期です。たとえば外注で何か依頼したい仕事があっても対応してくれるネパール人は少なく、ティハールが終わったらボチボチ働き始めようというのが毎年のサイクルです。

光の祭典ティハール

ティハールは、イルミネーションで飾られた街並みが美しい光の祭典です。カラフルな電灯を家の壁面に飾り付け、家の中の電気を消して夜を迎えます。

ティハールの5日間には、カラスの日・犬の日・ラクシュミー神様の日・牛の日・弟の日があり、それぞれの日ごとに行事を行います。

富や財物をつかさどる神であるラクシュミーの日には、日の入りと共に家の周りにろうそくを灯します。この日には、各家庭の玄関口にランゴリの模様を、家の中の祭壇へと続く通路には足あと模様を描いてラクシュミーを迎える行事と、夜遅くまで家の入口を開放してティハール祭りを行います。

家の外では子供たちがバイリ/デウシと呼ばれる伝統的な歌を歌いながら各家庭の庭先に行って踊りながら盛り上がります。

弟の日はバイティカの日と言い、バイ(弟)ティカ(おでこの中央に赤い粉を付ける祝いの印)という意味です。バイティカの日には、弟を主役に女のきょうだいがヒンズー教のしきたりにそって行事を行います。普段離れて暮らすきょうだい同志もバイティカの日には遠方から戻ってきて儀式を行うのがネパールの習慣です。

ティハールの食べ物のメインは甘いお菓子類です。ティハールの時期には、ティハール独特の甘いお菓子類が、お菓子屋さんの店頭で大量に売られています。

さいごに

ネパール人社会の特徴のひとつは、家族がまとまって事を成すという習慣です。その大きなイベントとなるのが、このダサイン・ティハール祭りとなります。日本で働くネパール人が一時帰国したいと希望する時期は、このダサイン・ティハール祭りであることが多くなるでしょう。

また、この時期に一時帰国できない場合にも日本に在留するネパール人は、日本国内でダサイン・ティハールを過ごす人たちも多く見られます。国内のネパールレストランの大半は、ダサイン・ティハールにちなんだイベントを催しているはずです。

日本の正月の過ごし方が昔と比べて年々、現代版となって来ていますが、ネパールのダサイン・ティハールは、遥か昔の日本の正月を思い出すようなイメージで、美味しいご馳走を食べたり綺麗な洋服で着飾ったり、親せきと楽しくおしゃべりしたり、そんなことが特別に思えるような素朴なお祭りシーズンです。

※ネパールでは西暦とは異なるビクラム暦によるスケジュールで成り立っています。ダサインとティハールの時期もビクラム暦によるため、西暦による一定の月日を出すことはできません。ビクラム暦の新カレンダーが発行されたあとに、今年はいつダサイン・ティハールかがわかります。西暦ではだいたい9月~11月あたりとなると知っておくと良いでしょう。

執筆者:shyu

海外在住ライター/ネパール国籍の配偶者と日本国籍の息子と日本人の私の3人家族。カトマンズに12年暮らす。 海外に住むということは、国籍はもちろん生まれも育ちも違う者どうしが、なんらかの関係性を保ちながら生きる修行をしているようなもの。 今後、日本で暮らし働く外国人が増えて行くことが予想される中、その動向を外国人の心情に寄り添った視点で発信していきたい。

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