特定技能と技能実習の違いをわかりやすく解説!費用・制度比較と選び方
「外国人材を受け入れたいが、特定技能と技能実習のどちらを使えばいいのかわからない」。初めて外国人の採用を検討する企業の多くが、最初に直面する疑問です。
実はこの2つの制度、名前が似ているだけで目的も仕組みもまったく異なります。 外国人労働者受入れの現状 を踏まえると、自社に合った制度を選ぶことがますます重要になっています。「特定技能実習生」という言葉を耳にすることがありますが、これは正式な用語ではなく、2つの制度を混同した誤用です。制度を正しく理解しないまま受入れを進めると、想定外のコストやトラブルにつながるケースも少なくありません。
ある介護施設では、技能実習で受け入れた職員の在留期間満了が近づいた段階で、特定技能への移行手続きに3か月以上かかることを知りました。その間の人員計画に穴が開き、他の職員に大きな負担がかかったといいます。
この記事では、特定技能と技能実習の違いを8つのポイントで比較します。さらに、競合メディアでは触れられていない費用の違いや、2024年に成立した育成就労制度の最新情報、企業タイプ別の選び方ガイドまで、登録支援機関の実務視点でわかりやすく解説します。
読み終えるころには「うちの会社にはどちらが合っているか」が判断できるようになるはずです。
そもそも特定技能・技能実習とは?制度の基本を整理
特定技能と技能実習の違いを理解するには、それぞれの制度がなぜ作られたのかを押さえることが出発点です。
特定技能制度とは
特定技能は、2019年に創設された在留資格です。目的は明確で、深刻な人手不足を解消すること。介護、建設、飲食料品製造など、人材確保が困難な分野で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人を「即戦力」として受け入れる制度です。
特定技能には1号と2号があります。1号は通算5年まで、2号は在留期間の上限がなく家族帯同も可能です。2号の対象分野は段階的に拡大されており、現在は介護を除くほぼすべての分野で2号の取得が可能になっています。
特定技能の対象16分野の一覧 もあわせてご確認ください。
技能実習制度とは
技能実習は、1993年に始まった制度です。こちらの目的は国際貢献、つまり日本の技能を発展途上国に移転すること。「労働力の確保」ではなく「技能の移転」が建前です。
技能実習には1号(1年)、2号(2年)、3号(2年)があり、最長5年間の在留が可能です。91職種168作業が対象で、特定技能よりも細かく業務が区分されています。
ただし、実態としては人手不足を補う手段として活用されてきた側面があり、労働環境をめぐる問題も指摘されてきました。
【2024年法改正】育成就労制度とは?技能実習の後継制度
2024年6月、技能実習制度を廃止し育成就労制度に移行する法律が成立しました。育成就労制度は「人材の育成と確保」を正面から目的に掲げた新制度で、技能実習の問題点を踏まえた設計になっています。
主な変更点は以下の通りです。
- 目的を「人材育成と確保」に変更(「国際貢献」からの転換)
- 一定の条件のもと転籍(転職)が可能に
- 特定技能1号への移行を前提とした制度設計
- 受入れ対象分野を特定技能と合わせる方針
育成就労と特定技能の主な違いは、育成就労が「育成」を前提としている点です。特定技能が即戦力人材の受入れを目的とするのに対し、育成就労は3年間の育成期間を経て特定技能1号に移行するルートを想定しています。施行は2027年頃が見込まれており、今後は特定技能と育成就労のどちらを選ぶかが企業の主な判断ポイントになるでしょう。
最新の制度情報は 出入国在留管理庁の育成就労制度ページ で確認できます。
外国人材の受入れ制度について「まず全体像を知りたい」という方は、 ユアブライトの無料資料 もあわせてご活用ください。
特定技能と技能実習の8つの違い【比較表付き】
ここからは、特定技能と技能実習の具体的な違いを8つのポイントで解説します。まずは全体像を比較表で確認してください。
| 比較項目 | 特定技能 | 技能実習 |
|---------|---------|---------|
| ① 制度の目的 | 人手不足の解消 | 国際貢献・技能移転 |
| ② 対象業種 | 16分野 | 91職種168作業 |
| ③ 在留期間 | 1号: 最長5年 / 2号: 上限なし | 最長5年(1号+2号+3号) |
| ④ 転職 | 同一分野内で可能 | 原則不可 |
| ⑤ 家族帯同 | 2号のみ可 | 不可 |
| ⑥ 技能水準 | 試験合格が必要 | 入国時は不要 |
| ⑦ 受入れ人数 | 原則制限なし | 常勤職員数に応じた上限あり |
| ⑧ 関係機関 | 登録支援機関 | 監理団体 |
① 制度の目的が根本的に異なる
最も重要な違いは制度の目的です。
特定技能は「人手不足の解消」を目的とした在留資格です。企業が必要とする労働力を外国人材で補うことが正面から認められています。
一方、技能実習は「国際貢献」が目的です。日本で習得した技能を母国に持ち帰り、その国の発展に役立ててもらう、という建前で設計されています。
この目的の違いが、転職の可否や在留期間など、あらゆる制度設計の違いにつながっています。
② 対象となる業種・職種の違い
特定技能の対象は16分野です。 介護 、ビルクリーニング、建設、飲食料品製造、外食業などが含まれます。各分野の中では比較的幅広い業務に従事できます。
技能実習は91職種168作業と、より細かく業務が区分されています。技能実習計画で認められた作業以外には原則として従事できません。
たとえば、飲食料品製造の現場で「製造ラインだけでなく、検品や出荷作業もお願いしたい」という場合、特定技能のほうが柔軟に対応しやすいといえます。
③ 在留期間と更新の違い
特定技能1号は通算5年が上限です。更新は1年、6か月、4か月のいずれかで行います。特定技能2号は在留期間の上限がなく、条件を満たせば永住権の申請も可能です。
技能実習は1号(1年)、2号(2年)、3号(2年)を合わせて最長5年です。3号への移行には優良な監理団体・実習実施者であることが条件となります。
長期的に働いてほしい場合は、特定技能2号のほうが有利です。
④ 転職の可否
特定技能では、同一の業務区分内であれば転職が可能です。外国人材本人の意思で勤務先を変えることができます。
技能実習では、原則として転職(転籍)は認められていません。実習先の企業でのみ働くことが前提です。ただし、実習先の倒産や法令違反など、やむを得ない事情がある場合は例外的に転籍が認められます。
企業側から見ると、技能実習のほうが人材の流出リスクは低い反面、「辞められないから働いている」という状況は労務管理上の問題につながるリスクもあります。
⑤ 家族帯同の可否
特定技能2号では、配偶者と子どもの帯同が認められています。特定技能1号と技能実習では、家族帯同は認められていません。
家族と離れて暮らすことは、外国人材のモチベーションや定着率に影響します。長期的な雇用を考えるなら、特定技能2号への移行を視野に入れた受入れ計画が重要です。
⑥ 求められる技能水準と試験
特定技能では、入国前に技能測定試験と日本語試験(日本語能力試験N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト) への合格が必要です。つまり、一定の技能と日本語能力が保証された「即戦力」が来ることになります。
技能実習では、入国時に特段の試験合格は求められません。来日後に技能を習得していく制度設計です。ただし、2号・3号への移行時には技能検定試験の合格が必要になります。
「すぐに現場で活躍してほしい」なら特定技能、「時間をかけて育成したい」なら技能実習(今後は育成就労)、という考え方ができます。
⑦ 受入れ人数の上限
特定技能は、 建設分野 と介護分野を除き、受入れ人数に上限がありません。企業のニーズに合わせて柔軟に人数を増やせます。
技能実習は、常勤職員数に応じた受入れ人数の上限が設定されています。たとえば、常勤職員30人以下の企業では、基本人数枠は3人です。
建設会社を経営する田中さんは、現場の増加に合わせて技能実習生を追加で受け入れようとしましたが、人数枠の上限に達していたため断念。その後、特定技能に切り替えたところ、必要な人数をスムーズに確保できたそうです。このような 実際の導入事例 もご参考ください。
⑧ 関係機関の違い(登録支援機関 vs 監理団体)
特定技能の受入れでは、外国人材の支援を行う登録支援機関が関与します。企業は自社で支援を行うか、登録支援機関に委託するかを選べます。
技能実習では、監理団体が受入れの仲介と監理を行います。企業が直接海外から技能実習生を受け入れることは一般的ではなく、監理団体を通じた団体監理型が主流です。
登録支援機関は企業のパートナーとして支援計画の策定・実施を行い、監理団体は実習の適正な実施を監理する役割を担います。
ユアブライトは登録支援機関(登録番号: 19-登-000992)として、特定技能人材の紹介から入社後のサポートまで一貫して対応しています。 外国人人材紹介サービスの詳細 をご覧ください。
特定技能と技能実習の費用を比較
制度の違いを理解したら、次に気になるのが費用です。ここでは、企業が負担する主な費用項目を比較します。
特定技能の受入れにかかる費用
| 費用項目 | 目安 |
|---------|------|
| 人材紹介手数料 | 年収の20〜35%程度(紹介会社による) |
| 登録支援機関への委託費 | 月2〜3万円/人 |
| 在留資格申請費用 | 10〜20万円程度(行政書士依頼の場合) |
| 給与 | 日本人と同等以上 |
| 社会保険・労働保険 | 日本人と同様 |
特定技能の場合、監理団体への監理費は不要です。登録支援機関への委託も任意であり、自社で支援体制を整えられる企業はこの費用を削減できます。
ユアブライトでは初期費用・運用費用0円の完全成功報酬型を採用しており、内定が出るまで費用は発生しません。
技能実習の受入れにかかる費用
| 費用項目 | 目安 |
|---------|------|
| 監理団体への監理費 | 月3〜5万円/人 |
| 入国前講習費 | 5〜15万円程度 |
| 入国後講習費(1か月間) | 講習手当+講師費用 |
| 渡航費(往復) | 10〜20万円 |
| 在留資格申請費用 | 10〜20万円程度 |
| 給与 | 最低賃金以上 |
| 社会保険・労働保険 | 日本人と同様 |
| 住居手配 | 企業負担の場合あり |
技能実習では、入国前後の講習期間中も講習手当の支払いが必要です。また、海外からの呼び寄せとなるため渡航費や住居手配の費用も発生します。
費用比較まとめ
一般的に、初期費用は技能実習のほうが高くなる傾向があります。入国前後の講習費用、渡航費、住居手配などが上乗せされるためです。
一方、特定技能はすでに日本にいる人材を採用するケースが多いため、渡航費や入国前講習が不要で、入社までの期間も短くなります。
ただし、人材紹介手数料は特定技能のほうが高くなる場合もあります。トータルコストは受入れ人数や期間、活用する機関によって変わるため、複数のパターンで見積もりを比較することをおすすめします。
具体的な費用のお見積もりについては、 お気軽にお問い合わせ ください。また、制度ごとの費用や手続きの全体像をまとめた 無料資料のダウンロード もご活用いただけます。
技能実習から特定技能への移行(切り替え)方法
技能実習2号を良好に修了した外国人は、特定技能1号に移行できます。現在、多くの企業がこの移行ルートを活用しています。
移行の条件
技能実習から特定技能への移行には、以下の条件を満たす必要があります。
- 技能実習2号を良好に修了していること
- 移行先の特定技能分野が、技能実習の職種と関連していること
- 技能実習2号を良好に修了した場合、技能測定試験と日本語試験が免除される
つまり、技能実習で3年間の経験を積んだ人材は、試験なしで特定技能に移行できるケースが多いのです。
移行の手続きと必要書類
移行には「在留資格変更許可申請」が必要です。主な必要書類は以下の通りです。
- 在留資格変更許可申請書
- 技能実習2号の良好修了を証明する書類
- 雇用契約書
- 1号特定技能外国人支援計画書
- 受入れ機関に関する書類(登記事項証明書、決算書類など)
移行にかかる期間の目安
申請から許可まで、通常1〜2か月程度かかります。技能実習の在留期間が満了する前に余裕をもって手続きを進めることが重要です。
期限ぎりぎりになると「特定活動」の在留資格で一時的につなぐ必要が生じ、手続きが複雑になります。技能実習2号の修了6か月前には準備を始めましょう。
制度の詳細は 出入国在留管理庁の特定技能制度ページ で確認できます。
結局どちらを選ぶべき?企業タイプ別の判断ガイド
制度の違いと費用を把握した上で、「うちの会社にはどちらが合うのか」を判断するためのガイドです。
特定技能が向いている企業
- すぐに即戦力がほしい: 試験合格済みの人材が来るため、入社後すぐに業務に投入できる
- 在日外国人を採用したい: すでに日本にいる人材を採用するため、渡航費や講習が不要
- 受入れ人数を柔軟に増やしたい: 原則として人数上限がない(建設・介護を除く)
- 長期雇用を前提としている: 2号への移行で在留期間の制限なし
- 初期費用を抑えたい: 監理費や入国前講習が不要
技能実習(今後は育成就労)が向いている企業
- 海外から人材を呼び寄せたい: 現地の送出機関を通じた採用ルートがある
- 時間をかけて育成したい: 未経験者を受け入れ、技能を教育する前提の制度
- 転職リスクを抑えたい: 技能実習は原則転職不可(ただし育成就労では転籍可能に)
- すでに監理団体との関係がある: 既存の受入れ体制を活用できる
迷ったらまず相談を
飲食チェーンを運営する鈴木さんは、最初は技能実習での受入れを検討していました。しかし、「3か月後にオープンする新店舗に間に合わせたい」という時間的な制約があり、相談の結果、すでに日本で飲食業の経験がある特定技能人材を紹介。結果的に、入社から2週間で現場に馴染み、新店舗のオープンにも間に合いました。
このように、制度の良し悪しではなく、企業の状況やタイミングに合った制度を選ぶことが大切です。
外国人採用の流れ も参考にしてください。また、 外国人材の受入れメリット・デメリット も合わせてご覧いただくと、全体像がつかみやすくなります。
まとめ
特定技能と技能実習は、名前が似ていても目的も仕組みもまったく異なる制度です。この記事のポイントを振り返ります。
- 目的の違い: 特定技能は「人手不足の解消」、技能実習は「国際貢献・技能移転」
- 即戦力 vs 育成: 特定技能は試験合格済みの即戦力、技能実習は未経験から育成
- 転職の可否: 特定技能は同一分野内で転職可能、技能実習は原則不可
- 費用面: 特定技能は初期費用が比較的低く、技能実習は講習費や渡航費が上乗せ
- 今後の流れ: 技能実習は育成就労制度に移行予定(2027年頃施行見込み)
- 選び方: 即戦力なら特定技能、海外からの育成なら技能実習。企業の状況に合わせて判断
制度は年々変化しています。 在留資格の種類について詳しくはこちら も参考にしてください。
ユアブライトでは、登録支援機関として17万人以上の外国人材データベースから、貴社に合った特定技能人材をご紹介しています。初期費用・運用費用は0円、内定まで費用は発生しません。「うちの会社にはどの制度が合うのか」というご相談から対応していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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