外国人 採用の方法とは?在留資格・手続き・費用を徹底解説【2026年最新】
「人手不足が深刻で、外国人の採用を検討しているが何から始めればいいかわからない」。こうした声は、介護・建設・飲食・製造など多くの業界で聞かれます。
厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」 によると、日本で働く外国人労働者数は2024年10月末時点で約230万人を突破し、過去最高を更新しました。外国人採用は、もはや一部の企業だけの話ではなく、人材戦略の重要な選択肢です。
この記事では、外国人採用で活用できる主な在留資格の種類と比較、採用手続きの具体的な流れ、費用の目安、そしてよくある課題への対策を解説します。初めて外国人材の採用を検討する企業の担当者でも、全体像がつかめる内容です。
外国人採用が注目される背景と最新動向
日本の生産年齢人口(15〜64歳)は年々減少しており、2025年には約7,170万人まで縮小しています。特に介護・建設・飲食料品製造などの分野では、有効求人倍率が高止まりし、国内人材だけでは事業を維持できない企業が増えています。
こうした状況を受けて、政府は外国人材の受入れ拡大を推進しています。2019年に創設された特定技能制度は、2024年の閣議決定で受入れ見込み数が5年間で82万人に拡大されました。対象分野も従来の12分野から16分野に広がり、自動車運送業や鉄道など新たな業種でも外国人材を採用できるようになっています。
外国人採用に踏み出す企業は確実に増加しています。しかし、制度が複雑で「どの在留資格を使えばいいのか」「手続きにどれくらい時間がかかるのか」がわかりにくいのも事実です。まずは、採用に使える主な在留資格の違いを整理しましょう。
外国人材の受入れに関する全体像は、 外国人労働者受入れの現状 でも詳しく解説しています。
外国人採用で使える主な在留資格を比較
外国人を日本で雇用するには、就労が認められた在留資格が必要です。企業の採用目的や求める人材像によって、適した在留資格は異なります。主な在留資格の特徴を比較表で整理します。
| 在留資格 | 対象となる人材 | 在留期間 | 家族帯同 | 転職 | 日本語要件 |
|---|---|---|---|---|---|
| 特定技能1号 | 即戦力の現場人材 | 通算5年 | 不可 | 同分野内で可 | N4以上+技能試験 |
| 特定技能2号 | 熟練技能を持つ人材 | 上限なし(更新制) | 可 | 同分野内で可 | 分野別試験 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 大卒以上のオフィスワーク人材 | 最長5年(更新可) | 可 | 可 | 企業による |
| 高度専門職 | ポイント制で認定された高度人材 | 5年(1号)/無期限(2号) | 可 | 可(1号は制限あり) | 企業による |
| 技能実習 | 技能移転目的の実習生 | 最長5年 | 不可 | 原則不可 | N4目安 |
| 育成就労(2027年〜) | 技能実習に代わる新制度 | 最長3年 | 原則不可 | 一定条件で可 | 未定 |
特定技能は人手不足が深刻な16分野で即戦力を採用できる制度です。介護・建設・外食・宿泊など現場業務が中心の企業に適しています。 特定技能の対象業種一覧 で各分野の詳細を確認できます。
技術・人文知識・国際業務は、いわゆるオフィスワーク系の在留資格です。翻訳・通訳、エンジニア、マーケティングなど、大学で学んだ知識を活かす業務に就く外国人材が対象となります。
高度専門職は、学歴・年収・研究実績などのポイント制で70点以上を獲得した人材が対象です。優遇措置が多い反面、対象者が限られます。詳しくは 在留資格の種類一覧 をご参照ください。
なお、現行の技能実習制度は2027年を目処に「育成就労制度」へ移行する予定です。新制度では転籍(転職)の要件が緩和されるなど、大きな変更が見込まれています。
外国人採用の手続き・流れを6ステップで解説
外国人を採用する際の基本的な流れは以下の通りです。在留資格の種類によって細部は異なりますが、大枠のプロセスは共通しています。
ステップ1: 採用計画の策定と在留資格の確認
まず、どのポジションで外国人材を採用するかを明確にします。その業務内容に適した在留資格がどれに該当するかを確認することが出発点です。在留資格と業務内容が合致していないと、申請が不許可になる可能性があります。
ステップ2: 募集・人材探し
募集方法は主に3つあります。
- 人材紹介会社の活用: 外国人材に特化した紹介会社であれば、在留資格の確認や書類準備もサポートしてもらえる
- ハローワーク: 外国人雇用サービスセンターを利用できる
- 自社での直接募集: 求人サイトやSNSを活用する方法
特定技能人材の場合、すでに日本に在留している人材を紹介してもらう方法が、採用までのスピードが速く効率的です。
ステップ3: 書類選考と面接
書類選考では、在留カードの確認が必須です。在留資格の種類・期限・就労制限の有無をチェックしましょう。面接では、日本語能力・業務スキル・就労意欲に加え、雇用条件を本人が正確に理解しているかの確認が重要です。
ステップ4: 雇用契約の締結
外国人材にも日本人と同等以上の労働条件が適用されます。雇用契約書は、本人が理解できる言語(母国語または英語)で作成することが望ましいです。労働基準法・最低賃金法の遵守は必須です。
ステップ5: 在留資格の申請・変更
国内にいる外国人の場合は「在留資格変更許可申請」、海外から呼び寄せる場合は「在留資格認定証明書交付申請」を 出入国在留管理庁 (入管)に行います。審査期間は通常1〜3か月です。
ステップ6: 受入れ準備と入社
在留資格が許可されたら、入社に向けた準備を進めます。住居の手配、銀行口座の開設、社会保険・雇用保険の加入手続き、生活オリエンテーションなどが主な内容です。特定技能の場合は、登録支援機関による支援計画の実施が法律で義務付けられています。
外国人採用の流れについて詳しくはこちら で、各ステップをさらに掘り下げて解説しています。
外国人採用にかかる費用の目安
外国人採用のコストは、在留資格の種類や採用ルートによって大きく異なります。主な費用項目を整理します。
人材紹介手数料
人材紹介会社を利用する場合、成功報酬型が一般的です。相場は想定年収の20〜35%程度ですが、外国人材に特化した紹介会社では、初期費用0円の完全成功報酬型を採用しているケースもあります。
在留資格関連の費用
- 在留資格認定証明書交付申請: 手数料なし(行政書士に依頼する場合は10〜20万円程度)
- 在留資格変更許可申請: 収入印紙4,000円(行政書士報酬は別途)
- 渡航費用(海外からの呼び寄せの場合): 企業負担が一般的
登録支援機関への委託費用(特定技能の場合)
特定技能1号の場合、受入れ企業は支援計画を策定・実施する義務があります。これを登録支援機関に委託する場合、月額2〜4万円/人が相場です。支援内容には、事前ガイダンス・空港送迎・住居確保支援・生活オリエンテーション・定期面談などが含まれます。
その他の費用
- 住居の初期費用(敷金・礼金・家賃の前払いなど)
- 日本語研修費用
- 健康診断費用
費用面で不安がある場合は、まずは初期費用のかからない成功報酬型の紹介サービスを検討するとリスクを抑えられます。
外国人採用でよくある5つの課題と対策
外国人材の採用に踏み切った企業が直面しやすい課題と、その具体的な対策を紹介します。 外国人採用のメリット・デメリット も併せてご確認ください。
課題1: 在留資格の手続きが複雑
在留資格は29種類あり、それぞれ就労の可否や条件が異なります。自社の業務内容に合った在留資格を選ぶだけでも、専門知識が必要です。
対策: 外国人採用に詳しい人材紹介会社や行政書士に相談する。特定技能の場合は、登録支援機関に手続きを委託することで、法令遵守と業務負担の軽減を両立できます。
課題2: 日本語コミュニケーションの壁
業務指示の理解や報告・連絡・相談がスムーズにいかないケースがあります。
対策: 採用時に日本語能力試験(JLPT)のレベルを確認する。N4は日常会話レベル、N3は業務上の基本的なコミュニケーションが可能なレベルです。入社後は、やさしい日本語を意識した指示出しや、翻訳ツールの併用が有効です。
課題3: 文化・習慣の違いによるトラブル
時間感覚、報連相の習慣、宗教上の配慮(礼拝の時間、食事制限など)は、事前に理解しておくべきポイントです。
対策: 入社前に社内向けの異文化理解研修を実施する。受入れ側の理解が進むことで、双方のストレスが大幅に軽減されます。
課題4: 早期離職のリスク
職場環境や生活面での不満が解消されないと、早期離職につながる可能性があります。
対策: 定期的な面談(月1回程度)を実施し、業務面・生活面の課題を早期に把握する。母国語で相談できる窓口があると、本人の安心感が大きく変わります。
課題5: 社内の受入れ体制が整っていない
現場のスタッフが外国人材との働き方に慣れておらず、コミュニケーションがぎくしゃくするケースがあります。
対策: 受入れ担当者を明確にし、メンター制度を導入する。「特別扱い」ではなく「新しい仲間として迎え入れる」という社内の意識づくりが大切です。 JITCO(国際人材協力機構) でも受入れに役立つ情報が公開されています。
外国人採用を成功させるためのポイント
最後に、外国人採用を成功に導くために押さえておきたいポイントを整理します。
在留資格の選定を間違えない: 業務内容と在留資格の不一致は、最も多い失敗要因の一つです。特に「技術・人文知識・国際業務」は単純作業には適用できないなど、制度ごとのルールを正確に把握しましょう。
採用後のサポートを軽視しない: 外国人採用は「入社がゴール」ではなく「入社がスタート」です。生活面の支援、日本語学習の機会提供、キャリアパスの明示など、定着に向けた取り組みが求められます。
信頼できるパートナーを選ぶ: 外国人材に特化した人材紹介会社や登録支援機関と連携することで、制度理解・人材マッチング・入社後フォローの質が大きく変わります。実績や支援体制を比較した上で、自社に合ったパートナーを見つけてください。
外国人採用でよくある質問
Q1. 外国人を採用するまでにどれくらい時間がかかりますか?
国内在住の外国人材を採用し、在留資格の変更が不要なケースであれば、面接から入社まで数週間で進む場合があります。一方で、在留資格変更や新規申請が必要な場合は、入管での審査期間を含めて1〜3か月程度を見込むのが一般的です。海外から呼び寄せる場合は、在留資格認定証明書の交付、査証手続き、渡航準備も加わるため、さらに余裕を持った採用計画が必要です。
Q2. 外国人採用では日本人と違う労務管理が必要ですか?
賃金、労働時間、社会保険加入などの基本ルールは、日本人従業員と同様に日本の労働法令が適用されます。ただし、在留資格ごとに就労できる業務範囲が異なるため、仕事内容の管理はより慎重に行う必要があります。特定技能では支援計画の実施、技術・人文知識・国際業務では学歴や職務内容との関連性の確認など、在留資格ごとの追加論点があります。
Q3. 初めて外国人採用をする会社は何から始めるべきですか?
最初に行うべきなのは、「どの職種で」「どのレベルの人材を」「どの在留資格で」採用するのかを整理することです。ここが曖昧なままだと、求人票の作成、選考、在留資格確認のすべてがぶれます。次に、社内の受入れ担当者を決め、住居や生活サポートまで含めた受入れフローを簡単にでも決めておくと、採用後の混乱を抑えやすくなります。
Q4. 外国人採用で失敗しやすいポイントは何ですか?
典型的なのは、在留資格と実際の仕事内容が合っていないケース、雇用条件の説明が不十分なケース、入社後フォローを軽く見てしまうケースです。特に「採用できたから大丈夫」と考えると、早期離職や現場トラブルにつながりやすくなります。採用前の説明、入社後の定期面談、相談窓口の整備までを一つの採用プロセスとして考えることが重要です。
まとめ
外国人採用は、人手不足を解消し事業を成長させるための現実的な選択肢です。この記事の要点を振り返ります。
- 外国人労働者数は約230万人を超え、採用の選択肢として定着しつつある
- 在留資格は目的・業務内容に応じて「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「高度専門職」などから選択する
- 採用手続きは6ステップ。在留資格の申請には1〜3か月かかるため、余裕を持ったスケジュールが重要
- 費用は成功報酬型の人材紹介会社を選べば初期リスクを抑えられる
- 入社後の定着支援(日本語サポート、生活支援、定期面談)が長期的な成功のカギ
外国人材の採用を初めて検討される場合、まずは専門の人材紹介会社に相談することで、自社に合った在留資格や採用方法が明確になります。
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