外国人材を採用する方法|4つの在留資格・採用フローから定着のコツまで完全ガイド
「求人を出しても応募が来ない」「採用してもすぐ辞めてしまう」。多くの企業が直面する深刻な人材課題です。日本の労働人口は2030年までに約644万人不足すると予測されており( パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2030」 )、国内のみで人員を確保するのは年々難しくなっています。
この状況を打開する一手として、外国人材の採用に注目する企業が急増中です。 厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」 によると、日本で働く外国人労働者数は2024年10月時点で約230万人に達し、過去最高を更新しました。
ただし外国人材の採用には、在留資格の確認や法的手続きなど独特の知識が求められます。「制度が複雑そう」「日本語のコミュニケーションは大丈夫か」と不安を感じる担当者も少なくありません。
本記事では、外国人材を採用する際に押さえたい在留資格の種類、採用の流れ、メリット・注意点、定着率を高めるポイントまでを網羅的に解説します。初めて外国人材を雇用する企業はもちろん、すでに検討を進めている方にも役立つ実務情報をお届けします。
外国人材とは?日本での雇用状況を最新データで把握する
外国人材とは、日本国籍を持たず日本で就労する人材を指します。「外国人労働者」とほぼ同義ですが、人材としての専門性や貢献を尊重する意味合いから、近年は「外国人材」という呼称が広く使われるようになりました。
日本で働く外国人材は約230万人(過去最高)
厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」によると、2024年10月末時点の外国人労働者数は約230万人で、前年比12.4%増を記録しました。5年前と比べると約60%も増加しており、増加ペースも加速しています。
国籍別の構成は次の通りです。
- ベトナム:約57万人(25%)
- 中国:約41万人(18%)
- フィリピン:約25万人(11%)
- ネパール:約16万人(7%)
- インドネシア:約16万人(7%)
ベトナムが最多で、ネパール・インドネシアの伸びが顕著です。
産業別に見る外国人材の受入れ状況
外国人材の受入れが多い産業は以下の通りです。
- 製造業:27%
- サービス業:17%
- 卸売・小売業:13%
- 宿泊・飲食サービス業:12%
- 建設業:8%
- 介護関連:6%
特に介護・建設は人手不足が深刻で、特定技能制度を活用した採用が急速に伸びています。詳しい現状は 外国人労働者受け入れの現状 でも解説しています。
外国人材を採用する4つのメリット
東京都内の介護施設「Bホーム」(入居者60名)の事例をご紹介します。慢性的な人手不足で夜勤対応スタッフが確保できず、新規入居者の受入れを半年間停止していた施設です。2023年に特定技能制度でベトナム人スタッフ3名を採用したところ、シフトが安定し、4か月後には新規入居の受付を再開できる体制に回復しました。
このように、外国人材の採用は具体的な経営課題の解決につながります。主なメリットを4つに整理します。
1. 慢性的な人手不足の解消
少子高齢化が進む日本では、特に介護・建設・飲食といった現場系業種で国内採用が困難な状況です。外国人材は労働意欲が高く、長期的に勤務する傾向があるため、安定した人員確保につながります。
2. 多言語・多文化対応によるサービス拡充
インバウンド需要が回復するなか、英語・中国語・ベトナム語などに対応できるスタッフへの需要が高まっています。多国籍の従業員がいることで、外国人顧客への対応力が大きく向上します。
3. 組織の活性化と新たな視点の獲得
異なる文化背景を持つ人材が加わることで、既存メンバーの意識改革や新しいアイデアが生まれます。職場の多様性は、長期的な組織力強化にもつながります。
4. 海外展開・グローバル化の足がかり
将来の海外進出を視野に入れる企業にとっては、現地の言語・文化を理解する従業員の存在が大きな強みになります。営業・通訳・現地法人支援など、活用範囲も広がります。
メリットだけでなく注意点も含めて知りたい方は、 外国人労働者を受け入れるメリット・デメリット もあわせてご覧ください。
外国人材の採用を検討中の方へ
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外国人材の採用で押さえたい4つの主要な在留資格
外国人を雇用するには、業務内容に合った在留資格を持つ人材を採用する必要があります。在留資格は全部で29種類ありますが、企業の採用で関わりが深いのは次の4つです。
1. 技術・人文知識・国際業務(通称:技人国)
エンジニア、通訳、マーケター、デザイナーなど、専門的・技術的職種で活用される在留資格です。原則として大卒以上の学歴または10年以上の実務経験が要件で、ホワイトカラー職に幅広く対応します。
2. 特定技能
人手不足が深刻な16の業種で受入れが認められた在留資格です。1号は通算5年、2号は更新上限なしで在留できます。日本語能力試験N4以上と業種ごとの技能試験合格が要件です。
特定技能の対象業種・要件は 特定技能の14業種・職種を一覧で紹介 で詳しく解説しています。
3. 技能実習(2027年から育成就労制度へ移行予定)
開発途上国への技能移転を目的とする制度で、最長5年の在留が可能です。2027年から「育成就労制度」へ移行する予定で、特定技能への移行を前提とした、より柔軟な制度設計が進んでいます。
4. 高度専門職(高度人材)
研究者・経営者・高度な専門知識を持つ人材向けの在留資格で、ポイント制で評価されます。永住権取得までの期間短縮など、優遇措置が手厚いのが特徴です。
29種類の在留資格全体については 在留資格とは?資格が認める活動や在留期間を一覧形式で解説 で網羅的にまとめています(公的資料は 出入国在留管理庁「在留資格一覧表」 を参照)。
外国人材を採用する具体的な6ステップ
神奈川県の建設会社「C建設」(従業員45名)が、特定技能制度で初めて外国人材を採用したケースです。求人募集を開始してから内定者の入社までは約4か月。当初は「手続きが煩雑では」と不安だった経営者も、登録支援機関のサポートを受けながら手順通りに進めた結果、現在は3名の特定技能人材が現場で活躍しています。
採用の流れは次の6ステップです。
ステップ1:採用計画の策定
業務内容に合った在留資格を確認し、必要な日本語レベル・技能要件を整理します。受入れ可能な人数や雇用条件、勤務体系もこの段階で決定します。
ステップ2:人材の募集・選考
ハローワーク、求人サイト、人材紹介会社などを活用して候補者を募ります。日本語面接だけでなく、母国語での意思確認も離職防止のうえで重要です。
ステップ3:内定・雇用契約の締結
労働条件通知書は、本人の母国語または分かりやすい日本語で記載することが推奨されます。賃金は日本人と同等以上にすることが法律で求められています。
ステップ4:在留資格の申請・変更
海外から呼び寄せる場合は「在留資格認定証明書」、国内人材を雇用する場合は「在留資格変更許可申請」を行います。手続き期間は通常1〜3か月です。
ステップ5:入社準備・受入れ体制の構築
住居の確保、生活オリエンテーション、各種行政手続きのサポートを行います。特定技能の場合は「支援計画」の策定・実施が義務付けられており、登録支援機関に委託することも可能です。
ステップ6:入社後のフォローアップ
定期面談、業務指導、生活相談など、継続的なサポートが定着率を左右します。
採用全体の流れをさらに詳しく知りたい方は、 外国人労働者を採用する流れを解説 もご参照ください。
外国人材採用でよくある4つの不安と解決策
採用前後によく寄せられる不安と、その対処法をまとめました。
不安1:日本語のコミュニケーションが取れるか
日本語能力試験N4レベルなら基本的な日常会話、N3以上なら業務上のやり取りが可能です。母国語対応のスタッフがいる人材紹介会社や登録支援機関を活用すれば、入社後のフォローも安心です。
不安2:手続きが複雑で社内で対応しきれない
登録支援機関に依頼すれば、申請書類の準備から各種届出までを代行できます。社内に専門担当者を新設する必要はありません。
不安3:早期離職してしまうのではないか
定着率を高める鍵は、入社後3か月の手厚いサポートです。生活面での困りごとを早期に解決し、職場で孤立させない仕組みづくりが重要になります。
不安4:文化の違いによるトラブル
ベトナム人ならテト(旧正月)、ネパール人ならダサインなど、文化的に重要な行事への配慮が信頼関係を築きます。一方的に日本流を押し付けるのではなく、相互理解の姿勢が長期勤務につながります。
不安を解決したいなら、まずは無料相談から
ユアブライトでは登録支援機関として、法的手続きから定着支援までワンストップで対応しています。電話03-6908-6143、または お問い合わせフォーム から、お気軽にご相談ください。
外国人材の定着率を高める3つのポイント
大阪府の食品製造工場「D社」では、ベトナム人技能実習生10名のうち、最初の3年間で4名が早期帰国してしまった過去があります。原因を調査したところ、「相談相手がいない」「住環境が劣悪」が主な理由でした。
改善後の現在は、母国語対応の専属サポーターを配置し、社員寮の質も向上。直近5年間の定着率は95%に達しています。同社の経験から見えてくる、定着率を高める3つのポイントをご紹介します。
1. 入社後のオリエンテーションを充実させる
日本の生活ルール、職場マナー、緊急時の連絡先など、最初の2週間で押さえるべき情報をまとめて説明します。書面と口頭の両方で伝えること、母国語の資料を用意することがポイントです。
2. 定期的な面談で課題を早期発見する
月1回以上の面談を設定し、業務面・生活面の悩みを聞き取ります。母国語で話せる場を設けると、本音を引き出しやすくなります。
3. キャリアパスを明示する
「日本でどのように成長できるか」を示すことで、長期勤務への意欲が高まります。資格取得支援、特定技能2号への移行サポート、リーダー職への登用など、具体的な道筋を提示しましょう。
まとめ:外国人材の採用は計画と継続的サポートが成功の鍵
外国人材の採用を成功させるための要点を振り返ります。
- 在留資格に合った人材選定が出発点。技人国・特定技能・技能実習・高度専門職の4つを押さえる
- 採用は6ステップで進める。計画策定から定着支援まで、一気通貫でフォローする
- 日本語・手続き・定着の不安は登録支援機関の活用で解決可能
- 入社後3か月のサポートが定着率を大きく左右する
- 文化的配慮とキャリアパスの提示が長期勤務につながる
人材不足は待ってくれません。今日から準備を始めれば、半年後には貴社の現場で活躍する外国人材を迎え入れることができます。
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