ベトナム人就職ストーリー

ドー バンホアさん

2019-01-14

現在の勤め先:株式会社 鷹島鋳造所(神奈川県相模原市)

ドーさんは2018年11月にエンジニアとして来日しました。彼は奥さんと子供二人をいち早く呼び寄せることができるように、日本という地で真面目に仕事に取り組んでいます。

ドーさんはベトナム ハイズン省で生まれ育ちました。ハイズン省は首都ハノイから東へ約60㎞、北部最大貿易港ハイフォン省から約45㎞のところにあり、主な産業は農林業と鉱山です。ドーさんは学校卒業後、採鉱関連の地元の企業でエンジニアとして約8年間務めました。そちらである程度スキルを獲得して満足できる生活を送っていましたが、自分のキャリアや子供の将来のために、外国で働くことを決意し、今回来日しました。

現在は神奈川県相模原市にある小さな銑鉄工場に勤めています。本国で経験したような大企業ではなく、従業員二十数名程度のこじんまりした会社です。慣れていない日本での生活や、新しい仕事のキャッチアップで大変な日々が続いています。
ですが、その中でもドーさんは毎日の出来事を振り返り、自分なりに分析してどのような行動を取るべきかをいつも考えています。例えば、ベトナムで働いていた時と比べて、同じ労働時間内でもより高い品質が求められるため、指摘されたミスを繰り返さないように細心の注意を払うようにしました。また、最初は一つだけの製品の製造を任せてもらいましたが、手が空いている際に自ら手を挙げて他の製品の生産を手伝っているようです。

ドーさんは、いい上司や同僚に恵まれてとても感謝しています。ベトナム人は彼ともう一人いますが、その同僚と協力しながら、様々な国籍の社員に溶け込んで笑いの絶えないようにしてます。
いくつも感動したエピソードを語ってくださいましたが、その中で2つを取り上げたいと思います。その一つ目は、コミュニケーション面です。彼はまだ日本語が上手でないため、伝えたいことがうまく伝わらない場合は、紙に絵をかいたり、体を使ってジェスチャーしたりしています。

もう一つは上司の優しさに触れた場面です。ドーさんは最初の頃に、1日に10回も不良品を出してしまったことがありました。その時に、上司はドーさんに対してミスした箇所を示し、どの工程で気を付けばミスを防げるかを一緒に考えてくださいました。怒りや否定ではなく、上司の丁寧でかつ冷静な指導や応援の掛け声のおかげで、ドーさんの仕事に対する前向きな姿勢を引き出すことができました。


日常生活の中で一番驚いたことを聞かれた時には、ドーさんは車やバイクのクラクションを一度も聞いていないこと、と答えました。ベトナムでクラクションの音を一日中聞いていた彼にとって、なんと平和な世界だと思ったそうです。信号のない交差点を渡る際も、毎回車が止まってくださって、車の中の人と軽いお辞儀で挨拶を交わしました。こういった親切な日本人の姿を見て、ドーさんはますます自分の子供を日本で育てたいと思うようになりました。


直近の目標は、仕事に慣れることと、ちゃんと日本語を習うことです。今のところ不慣れな日本語でも何とか仕事が出来ていて、アパートと会社の往復もできていますが、これからも日本で生活できるようにちゃんと日本語を身に付けたく、日本語学校を探しています。まずは休日に電車で出かける際、駅構内や車内の放送を聞き取れるようになりたいそうです。