一年に一度の大きな祭りダサインも終わって12月のネパールは、暦の上では特に大きなイベントもなく静かな日常がまた戻って来ています。

12月になると冬の到来を感じるネパールらしい光景が目に入って来て、そこには静かでホッと一息、暖をとるようなあたたかい暮らしぶりがあります。

ネパール人の生活には、季節の変化に合わせた素朴なライフスタイルが残っていて、昔に戻ったような感覚にさせてくれます。

毛糸の帽子は欠かせない

編み物上手なネパール女性が、庭先で毛糸の帽子を編んでる姿はホッと暖かくなるような冬の光景です。

ネパール人の冷え性対策には毛糸の帽子が欠かせません。コンクリート造りの家の中では冷えによる頭痛防止に、家の中でも寝る時でも毛糸の帽子が離せない人もいます。

ネパールの冬は日本に比べると気温は高く、朝夕の冷え込みの厳しさ以外は昼間20℃くらいまで上がり暖かくなります。ただ日陰と日向の寒暖の差が大きく強烈な冷えを感じるためネパールの気候に合わせた冬の服装が必要です。

ネパールのカラダが温まる食材

ネパールの生活では暖房器具のない暮らしをしている人も多く、服装や食べ物で工夫して暖をとります。

暖まる飲み物や料理には、ネパール食材を賢く使って冬の健康対策に役立てます。

根菜や芋類を使ったカレーやスパイスティ、ギーオイルで料理したり、自家製の酒を飲んだり、ネパールの食の知恵を活かした冬料理が色々あります。

スパイス類はネパール料理の常備食材で、ネパール人が毎日飲むミルクティにもスパイスを入れて飲んだりします。スパイスには薬膳効果があり、冬には体感温度を上げるために料理や飲み物に入れて工夫をします。

ギーオイルで暖まる

ギーオイルは発酵バターを加熱してろ過した油です。

ギーオイルは身体を暖める効果があるため、冬の食材として活用します。使い方はいろいろありますが、溶かしたギーオイルを炊きたてのご飯やスープにかけて食べる習慣があります。

ヒンズー教の国では、ギーオイルは聖なる食べ物と言い、宗教儀式の供え物として各家庭の常備食となっています。

冷たい水で身体を清める

信仰深いネパール人は、宗教的習慣として朝に水浴びをします。水浴びは、1日の始まりを清く迎えるという意味があります。

夕方や夜に水浴びをするのは、人が亡くなった時の行為であるため、暗くなってから風呂に入ったりシャワーをすることは敬遠されています。

12月になると朝の気温はグッと低くなりますが、朝の習慣、水浴びの日課は続けられています。

日向ぼっこでオイルマッサージ

ネパール人の冬の日課には、日向ぼっこがあります。

暖房器具で暖まるというよりも、太陽の日差しに頼って身体をほぐすという習慣があります。

また、日向ぼっこしながら外でオイルマッサージをして、マッサージの後は昼寝も兼ねて身体を休めます。

赤ちゃんや幼い子供たちにもオイルマッサージで健康管理を行い、丈夫な体作りに役立てます。ネパール人は、赤ちゃんの頃から冬の日中、裸になってマッサージをしているので大きくなっても丈夫で健康的な人が多いようです。

冬の風物詩、落花生売り

バダム!バダム!と言いながら落花生売りがやって来ると冬の始まりを感じます。

バダムは落花生のことで、冬限定で移動ワゴンに落花生を山盛りにのせて売っています。バダムはネパール人のおやつに人気で、50ルピー渡すと新聞紙にくるっと包んで渡してくれます。

冬のおやつにはバダムとみかんが定番で、日向ぼっこをしながらバダムとみかんを食べながら過ごすのが、冬の贅沢なひと時です。

ネパールでも静かにクリスマス

宗教的には可笑しくなりますが、ネパールでもクリスマスをする人が昔に比べて増えて来ています。

12月になるとクリスマスグッズが売られるようになって、大型ショッピングモールには大きなツリーが飾られ、サンタクロースが出没したり、夜はライトアップで華やいだり何だか楽しそうな雰囲気が演出されています。

ネパールのクリスマスは、国じゅうがお祭り気分になるような勢いはなく、遠くからクリスマスソングが流れてくることもなく、クリスマスケーキを注文する習慣もなく、枕元のプレゼンントを楽しみにする子供たちもいない、だけどどこかで静かなクリスマスを楽しんでいる、そんな感じです。

カトマンズに雪

ヒマラヤ山脈のイメージとは違って、ネパールの冬に雪はめったに降りません。振り返れば2019年の12月、カトマンズに雪が降って近くの山が真っ白くなると、皆がスマホで写真を撮ってはしゃいでいる様子が思い出されます。

ネパール人にとって雪景色はとても珍しいことで、雪景色の写メを送ったり、Facebookにのせたり、雪が降ったことで話が盛り上がったり、いつもと違う状況をおもいっきり楽しんでいるようでした。

まとめ

日本の年末年始の賑わいとは違って、特に何もない12月のネパールは、寒さ対策の工夫や小さな楽しみを見つけて冬を過ごしています。

この記事を書いた人

shyu

海外在住ライター/ネパール国籍の配偶者と日本国籍の息子と日本人の私の3人家族。カトマンズに12年暮らす。 海外に住むということは、国籍はもちろん生まれも育ちも違う者どうしが、なんらかの関係性を保ちながら生きる修行をしているようなもの。 今後、日本で暮らし働く外国人が増えて行くことが予想される中、その動向を外国人の心情に寄り添った視点で発信していきたい。

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