深刻な人材不足を対策するために、一定の知識や経験がある外国人を受け入れる在留資格「特定技能」。
2019年4月から新たな在留資格として設立された「特定技能」は、特定の分野に限り外国人の労働が認められるようになりました。
そのような特定技能は、現在どれくらい受け入れを進んでいるのかを全国状況や国籍別の割合、分野別の割合などを紹介します。

「特定技能」制度の全国の状況とは

まず、日本に在留する特定技能を取得している外国人は、2020年9月末時点では8769人です。2019年6月末時点での特定技能を取得した外国人の数は、5950人で一年弱で約3000人しか増加していません。
コロナの影響もあり人数の増加は予定より見込まれなかったのもあります。当初、日本政府の予定では、特定技能を取得した外国人の受け入れを「40000人」と予定していましたが、現状は1割程度しか満たされていません。
特定技能を取得した外国人は、日本全国別でみると関東圏は人口に比例して多くいますが、地方でも同じような人数を受け入れしている地方もあります。このように特定技能を取得した外国人がいるものの、政府の予定より少なくなった原因は、外国人を送り出す国の体制が整っていなかったからです。

特定技能制度では、国との中間に監理団体がある技能実習制度と異なり、外国人と雇用企業が直接雇用することで採用までの工程を減らせる見込みがありました。しかし、送り出し機関と受け入れ機関(監理団体)がないことにより、特定技能を取得した外国人を送り出す各国の対応が思うようにいかなかったことが、人数確保に遅れたとされています。その次に、技能試験の実施が遅れていたり、国内外での試験数が少ないなど、受け入れる人数には不十分な要因です。

特定産業別割合

出典元:出入国在留管理庁

特定産業分野は、深刻な人材不足とされている「飲食」「建設」「農業」「介護」など14の分野で特定技能を取得した外国人が就労することができる業種のことです。現在、特定産業分野別の割合で多くを占めるのが、「飲食料品製造業」「農業」「外食業」が6割以上占めています。これは、技能実習生から特定技能へ移行した外国人が多く、その結果それらの分野が割合として高くなったことが要因です。

その反面、「ビルクリーニング」や「宿泊」などは、海外で実施する国が少ないともあって割合が低くなっています。また、業種によって試験の数が異なるのも割合に反映されています。

国籍別・地域別割合

出典元:出入国在留管理庁

出身国別からみると全体の6割近くが、「ベトナム」がシェアを占めています。次いで、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、中国などと全体の8割がアジア圏の出身が多いです。その理由は、技能実習生から特定技能へ移行したことが、アジア圏が多く占める結果となります。

まとめ

今後も技能実習生から特定技能へ移行する外国人が増える中、新たに技能実習生から特定技能へ移行できない「介護」「宿泊」「外食」分野の特定技能の増加し始めるでしょう。

特定技能を取得した外国人は、現時点では政府が見込んだ数字より少ない人数を受け入れています。特定技能で必要とされる「日本語試験」や「各分野での技能試験」は、国内外で実施してはいるものの、政府が必要する人数には達しない数です。

しかし、特定技能制度の体制も整備されはじめてきているので、今後人手不足で悩む業種の受け入れも増えると期待できます。特定技能を取得した外国人を採用してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

ヤマシタハヤト

ユアブライト株式会社 海外人材担当 主にベトナムに関する情報を発信しております。

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