ベトナムの食文化は、中国の影響を受けているため、日本の食文化と似ています。しかしながら、日本人には馴染みのない味付けの料理も多数あります。そのため、一緒に食事をするときや自宅で手料理をふるまうときに、どんな調味料を用意すればいいのか迷ってしまう人も多いでしょう。

ベトナム人が好む調味料を用意してあげると、慣れない日本食も美味しく食べられます。そこで、ベトナム人はどんな調味料を好むのか、日本でも手に入るものを中心に4つご紹介します。

【ベトナムの調味料①】絶対に必須はチリソース&ケチャップ

ベトナム人にとってなくてはならない調味料がチリソースとケチャップ。このふたつはマストアイテムと考えていいでしょう。

ベトナム料理は意外と薄味

東南アジアの料理というと、唐辛子などをたくさん使った、パンチのある味付けをイメージすると思います。しかし意外にも、ベトナムの基本的な味付けはうまみ調味料。スープは鶏がらがベースになっています。醤油などを使うこともありますが、日本と比べると味つけのバリエーションは豊富ではありません。

ケチャップとチリソースを後付けする

そのため、ベトナム料理を食べるときは、卓上のケチャップとチリソースを使うことが一般的です。野菜、肉、ご飯もの、スープと、とにかく何にでも入れるのがベトナムスタイル。とくに好まれているのがチリソース。日本食に馴染んでいない時期は、チリソースを置いておいてあげると喜ぶでしょう。

【ベトナムの調味料②】豊富なスパイス塩のバリエーション

ベトナム旅行の人気のお土産のひとつがスパイス塩ですが、こちらもベトナム人の食事に欠かせません。

野菜や果物にスパイス塩をつけて食べる

ベトナム人は、とにかく野菜をたくさん食べる習慣があります。また、さまざまな種類の果物も安く手に入ります。ライチやマンゴスチンのような、甘みのある果物もありますが、どちらかというと青みのある味。野菜の味も日本と比べると淡泊です。そこで、きゅうり、メロン、マンゴー、スイカなどに辛みのあるスパイス塩をつけて、甘さをひき立たせる習慣があります。

塩とすだちを混ぜるのが鉄板

また、スパイス塩にすだちを入れたオリジナルのタレで、牛肉や鶏肉、魚介類、揚げ物などを食べる方法も定着しています。日本では、揚げ物にすだちを添えることがあると思いますが、ベトナムでは塩とワンセット。日本で用意するなら、マジックソルトとすだちでベトナムの味を再現できます。

【ベトナムの調味料③】甘口の醤油

ベトナムでも大豆醤油を使う習慣がありますが、日本と比較するとかなり甘口です。

ベトナムの大豆醤油はかなりの甘口

呼び名が異なるものの、ベトナム北部、中部、南部と全国的に使われている調味料が大豆醤油。北部はややしょっぱめで、南に行くほど甘口が好まれます。いずれにせよ、日本と比べるとかなり甘めの味付けです。最近は、にんにくなどを入れてアレンジしている大豆醤油も人気となっています。

大豆醤油は野菜を食べるときに欠かせない

日本では、煮物や炒め物を作るときに活躍する大豆醤油ですが、ベトナムでは野菜のタレとして使われることが多いです。甘口の大豆醤油に、小さくカットした唐辛子やニンニクを入れた、オリジナルのタレを小皿で作るベトナム人も目立ちます。また、チャーハンを味変させるアイテムとしても活躍しています。

【ベトナムの調味料④】食べるラー油は気に入る可能性大

調味料とはやや位置づけが異なりますが、日本でも大ヒットした食べるラー油は、ベトナム人の舌に合う可能性が高いです。

麺料理の必須アイテム唐辛子にんにく

ベトナム人はフォーやブンなどの麺料理を食べるとき、卓上のケチャップ、チリソース、醤油などを使って、スープにアレンジを加えます。そのなかで、とくに欠かせないのが唐辛子にんにく。ベトナムの食堂やレストランに行くと、必ずたっぷりの唐辛子にんにくがテーブルに置かれています。それをスープに溶かして、麺に絡めながら食べるのが定番です。

味が近いのが食べるラー油

ベトナムでは、唐辛子にんにくを手作りすることも多いのですが、日本では食べるラー油が近い味です。そこで、ラーメン、野菜炒め、チャーハン、焼肉などと一緒に、食べるラー油を出してあげると興味を持つでしょう。ただし、ベトナムのにんにくは、日本と比べるとあまり匂いがしません。にんにくの風味がガツンとくるタイプのものは、食べにくいかもしれません。

まとめ

基本の調味料は、日本とさほど変わりませんので、数か月もしたら日本の味に慣れ親しむことでしょう。とはいえ、来日したばかりのベトナム人にとっては、日本の味付けはまったくの異文化。そこで、まずは薄めの味付けの料理を用意し、各自でアレンジできるように卓上調味料を出してあげることも一案です。ベトナムでは、最低限の味付けの料理に、自分で味を加えるのが一般的。料理を作る立場になったら、調味料で味を変える行為に寛容になることも大切です。

この記事を書いた人

ひこすけ

大学にて10年間勤務したのち、ベトナム現地企業にて、地方中小企業の販路拡大支援に従事する。大学では留学生、ベトナムでは現地スタッフ指導経験あり。日本語教育にも関わっていました。現在はライターとして活動中。

ユアブライトのサービス紹介資料を無料ダウンロード

資料をダウンロードする