南アジアの小さな国ネパール。

首都カトマンズを中心に横長に広がる内陸国のネパールは、中国との国境地帯にはヒマラヤ山脈が連なり、インド国境地帯には高温多湿のタライ平原が広がっています。

風土の異なる南と北へは、世界各国からツーリストや中期滞在者が訪れ、美しい景観とそこに住む素朴で自然体なネパール人に魅かれて、度々ネパールへ足を運ぶ人も多く見られます。

ネパールの旅の醍醐味は、見ごたえのある絶景とそこに暮らす人々との気さくな交流です。

ネパール国内には50以上に民族が共存し暮らしています。世界遺産に選ばれた4つの地域には、それぞれ異なる民族が中心となるコミュニティがあり、地域に根付いた民族の暮らしや文化を体感することができます。

ネパールの世界遺産4選

ユネスコに登録されたネパールの世界遺産は、サガルマータ国立公園/カトマンズ盆地/仏陀の生誕地ルンビニ/チトワン国立公園 、いずれもネパール現地の観光者から海外のツーリストまで幅広く人気があり、一度は訪ねてみたい魅力ある場所です。

世界遺産めぐりでは、手つかずの大自然や歴史のある建築物、宗教文化の育まれた場所、野生動物が生息する緑豊富な森林地帯など、見ごたえある景観やアクティビティを楽しむことができます。

圧巻のパノラマビュー「サガルマータ国立公園」

世界最高峰エベレストで有名なヒマラヤ山脈に位置するサガルマータ国立公園

広大な大自然の中には希少動物や高山植物が生息し、公園内には本格的な登山の他に初心者が楽しめるトレキングコースもあります。

サガルマータ国立公園へのアクセスは、カトマンズからルクラ空港へ、そこから国立公園のあるクンブ地域までは徒歩で移動します。クンプ最大の集落であるナムチェバザールは通称シェルパ村と呼ばれ、山の案内人シェルパ族の居住する標高3440mの地域があります。登山愛好家は、このナムチャーバザールを登山玄関口とし山頂を目指します。

サガルマータ国立公園の登山コースは2つ、シェルパ族のナムチェバザールからベースキャンプ、カラ・パタールのルートと、ナムチェバザールからゴーキョ・ピークへのルートがあります。また、国立公園の最高峰エベレストを空から一望できる「マウンテン・フライト」の国内ツアープランもあります。

(サガルマータはネパール語でヒマラヤの意味)

歴史ある街並みが美しい「カトマンズ盆地」

ネワール文化の中心地カトマンズ盆地は、インドとチベットの商人が交易を行う中継点として古くから栄え、ヒンドゥー教仏教が共存する宗教文化と多民族が居住する地域です。

カトマンズ盆地の先住民、ネワール族は、秀でた才能を発揮し、建築、彫刻、宗教、言語 食、音楽、舞踊、文学など様々な分野に長けている民族です。

カトマンズ盆地には3つの主要都市、カトマンズ、パタン、バクタプルがあり、古き良き時代をイメージできる都市の景観には、レンガと木彫で造られたネワール建築の街並みと、映像として残したくなるようなネパール庶民の暮らしぶりが見えてきます。

主要都市には、旧王宮の建築物やヒンズー寺院が建つダルバール広場があります。女神クマリの化身として崇拝される少女が住む「クマリの館」や映画の舞台にもなったバクタプルのダルバール広場は、時空を超えた景観が美しい場所です。

アジアを旅する人は、旅路の通過点としてカトマンズでひとときを過ごし、隣国インドへ陸路で国境を越えたり、ネパール文化に影響のあるチベットや中国への旅、またはヒマラヤ登山で大自然を堪能するなど、カトマンズを基点に多様な旅を楽しむことができます。

仏教の聖地「ルンビニ」

仏陀の生誕地として世界中の巡礼者やツーリストが訪れるルンビニ。世界各国の仏教寺院を見学したり、仏陀が悟りをひらいたという菩提樹の大きな木の下で仏陀誕生の原点を体感することができます。

ルンビニは、仏教の8大聖地のひとつであり、他の7つの聖地はインドにあります。ルンビニを訪れるインドからの巡礼者は、インド国境との町バイラワからルンビニまで国境を越えて移動ができます。カトマンズからのアクセスは、バイラワまで飛行機または長距離バスで移動ができます。

ルンビニ周辺にはヒンズー教徒の一般庶民が居住し、仏教の聖地とは別の庶民の暮らしぶりが垣間見ることもできます。

ルンビニへは、同じタライ地方に位置するチトワンへ2時間ほどで移動が可能です。

亜熱帯ジャングル「チトワン国立公園」

ネパールとインド国境近くのタライ平原には、広大な野生動物の生息するる亜熱帯ジャングル「チトワン国立公園」があります。東西約80km、南北約23kmに広がるチトワン国立公園には、ベンガルトラ、インドサイなど絶滅危惧の希少な野生動物が生息しています。

「チトワン国立公園」の楽しみ方は、象に乗ってジャングルを巡るエレファントサファリや、ワニや美しい鳥と出会える川でのカヌー下りジャングルウォーキングなど、森林の中心へと探検できるツアーがいろいろあります。

また、チトワン国立公園近郊のタル族の村ソウラハがあり、タル族の伝統的な土壁の家や特徴的な暮らしぶりも見学できます。夜にはタル族の民族舞踊を観覧できるなど、民族探求と大自然を満喫できる場所です。

まとめ

多民族国家でインドや中国の影響も大きいネパールでは、国内を移動するだけでも、様々な民族との出会いや文化体験ができます。世界遺産への訪問は、ネパールの大自然と多文化を堪能できる旅となります。

この記事を書いた人

shyu

海外在住ライター/ネパール国籍の配偶者と日本国籍の息子と日本人の私の3人家族。カトマンズに12年暮らす。 海外に住むということは、国籍はもちろん生まれも育ちも違う者どうしが、なんらかの関係性を保ちながら生きる修行をしているようなもの。 今後、日本で暮らし働く外国人が増えて行くことが予想される中、その動向を外国人の心情に寄り添った視点で発信していきたい。

ユアブライトのサービス紹介資料を無料ダウンロード

資料をダウンロードする