株式会社リヨン

株式会社リヨン様

カテゴリー:
事例
2018-01-26

千葉県山武市で通所介護事業所「コミュニティライフ山武の杜ひなの」を運営する株式会社リヨン。小規模デイとしての運営のこだわりやスタッフ教育について、代表取締役の深谷勝夫さんと管理者・生活相談員の深谷典子さんに伺いました。

株式会社リヨン

グループ会社の医事研サービス株式会社が、2000年から東京都東村山市でグループホーム「やすらぎ荘」を運営してきたが、そちらは別に管理者を立て、2013年に千葉県山武市でデイサービスを開始

昼食の小鉢を盛り付けるお手伝いや土いじりは、リハビリにも最適

―こちらのデイサービスの特徴を教えていただけますか。勝夫さん:9時から16時までの終日デイサービスで、2013年にご利用定員10人で始め、2015年に定員13人に拡充しました。それでも3対1以上の手厚い見守り体制としています。介護職員は20代から60代までの9人、ほかに看護師2人と理学療法士1人に、調理師がおります。土日はサービスをお休みしていて、2017年からは祝日も一部お休みにさせていただいています。ご利用者様は要支援1から要介護4まで幅広く、移動で車椅子を使われることはあっても、基本的には何とか歩かれる方ですね。お風呂が機械浴槽ではないので、スタッフ2人の介助でご入浴が可能な方に限られます。典子さん:小さな事業所ですがアットホームな雰囲気を大切に、お昼に提供するお食事にはとにかくこだわっています。化学調味料や添加物は避けて、調理師が栄養バランスを考えてお出しする、給食のような日替わりの献立ですが、出来立てで量もたっぷり。男性のサラリーマンの方にも十分なくらいです(笑)。みなさん、とてもよく食べてくださるんですよ。盛り付けや配膳もリハビリの一貫で、お手伝いしていただくんです。ご利用者様は女性が多く、認知症の方もいらっしゃるのですが、やはりみなさん主婦経験が長いですから、とても器用にやられます。例えば筑前煮など、ごぼうを2つ、にんじんを2つ、インゲンは8本でなどとお願いすると、数えながらお箸を使ったり、おしぼりをまるめたり、ランチョンマットを配ったり、それぞれ役割があってとてもよいのです。レクも、月に一度はぶどう狩りやお買い物などのお出かけを取り入れるなどして、特徴を出しています。暖かい時期には畑で土に触れたりもするのですが、この辺りは農家さんも多く、みなさん昔取った杵柄で生き生きとされます。収穫のことなど、むしろ私たちスタッフがいろいろ教えられることもあるんですよ。そうやってご利用者様に接する上では、人生の大先輩ですから、親しい中にも敬う気持ちを忘れずにというのをスタッフ一同、心がけています。 

 

認知症、グリーフケア、古武術介護・・・ ニーズのあるテーマにじっくり向き合う

―外部委託してやられている研修について教えてください。勝夫さん:年3回、サービス提供をお休みして1日かけ、7時間ほどのプログラムを組んでもらっています。内容は、スタッフからの要望を聞いて、その中から相談して決める感じですね。7時間という長丁場なので、参加者の集中力が途切れてしまわないよう、興味や関心をもって受けられるテーマや中身をと、毎回工夫しています。それでも、接遇だけは繰り返しやっていくことが大切だと思うので、毎年取り上げていますね。最近のテーマで良かったのは、認知症の方への接し方です。デイサービスのご利用者に認知症の方も多いのですが、その病気のもつ背景や患者さん自身はどのように感じておられるものなのかなどが聞けて理解が深まり、翌日からケアするスタッフの姿勢にも変化が見られました。やり方を教えてもらったハンドマッサージをサービスの合間や少し不穏になられている時などに介護士がやって差し上げたりしています。実際、それでみなさん落ち着かれたりするものですね。典子さん:印象深いのは、グリーフケアの回です。例えば配偶者を亡くされた時に、どのような気持ちになられるのか、そして社会から離れていってしまうような状況と、どうしたら再び社会に馴染んでいけるのかなど、さまざまなケースでお話くださいました。先生の実体験に基づく話も分かりやすかったのと、スタッフのそうしたことにつながる体験談もプログラム中で引き出してもらえたので、日常よりも深くスタッフ同士が知り合えた気がします。そのほか、古武術介護の先生の回も良かったです。移乗のときに体に負担をかけずにスムーズにできるやり方があるんですね。介護をしていて腰や膝を悪くしてしまうスタッフも多いですし、みな、「もっと早く聞きたかった!」と言っていましたね。広い会場を借りて、グループに分かれて自分でやりながら学ぶ実践的なスタイルだったのも良かったのでしょう。

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主婦が多いスタッフの生活を尊重しつつ、集中してもらえるのが終日研修のメリット

―研修を外部委託する意義や、7時間を使ってじっくり行われている理由を教えてください。勝夫さん:私は父の事業を継いで介護の仕事に従事しているのですが、以前は大手の自動車メーカーに勤めていました。その時に研修の機会が多く、なかでも社内の人間が講師を務める時よりは、外部の専門家の方に学ぶほうが客観的ですし専門性もより高く、私自身役立った印象があるのです。今はそのイメージどおり、毎回講師の先生がとても優れておられ、しっかりと学べているので満足しています。7時間というのも昔の経験から、集中してその日のうちに知識や体験を積み上げていけますし、その日に向けた事前の準備や心構えなどもやりやすいのではと思っています。年間でスケジュールを早めに決めてしまいますので、スタッフも皆その日を楽しみにしていますね。典子さん:また、スタッフ自身が主婦だったりもしますので、一日のサービスを終えた後に残ってもらって夜間に研修するのが難しいという事情もあります。もともとデイサービスという日中だけの業態なので、スタッフの昼間の時間帯ならば参加を勧められますが、夜間では無理強いもできませんから。開催時期についても、運動会など家庭の行事に重ならないよう配慮しますね。ご利用者様の状態が安定している時期も加味して、大体、毎年6月・8月・10月に行うのが定例化しています。勝夫さん:もうひとつの、東村山のグループホームでも同じスタイルで実施しています。あちらは独身のスタッフが多いので、時期はもう少し柔軟性もって考えられますから、こちらの時期を決めてから調整します。やはり7時間コースですが、研修助成金を利用するため、雇用保険加入のスタッフのみが参加しますから、研修の日は現場をそれ以外のスタッフにお願いをして、参加者は研修に集中してもらっています。テーマや内容も、基本はこちらでやって良かったものをそのまま行いますが、ニーズがあれば別の内容を盛り込むこともあります。複数の拠点がある場合は、そうやって良かったプログラムをまた活用できるのはよいですね。―今後やってみたい研修メニューなどはありますか?勝夫さん:こちらはスタッフの定着率がよく、長い人はもう3年になり、スタッフを取りまとめる核となってくれています。そうすると、この場所でのやり方に慣れてしまい、近視眼的になることもあるかもしれません。他の事業所のやり方などを見てみたいという声もあるので、見学会などを考えてみたいですね。可能であれば、1日でも3日でも体験できればよいでしょう。何かしら気づきを得て、現場に持ち帰ってもらえればと思います。介護の仕事をする上でのステップアップという意味でも、他の事業所の仕事に触れることは大切です。同じデイサービスに限らず、宿泊系の事業所でも、ヒントや刺激になることがいろいろあるのではないでしょうか。東京都東村山市でグループホームと、千葉県山武市でデイサービスという2事業所を運営していますが、常駐しているのはデイサービスです。自身の生活基盤がもうこちらになっていますね。