おたきほうむ

外国人人材にもお国柄が。ベトナム人は生真面目で、勉強熱心な印象

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事例
2018-02-18

ユアブライトを通じ、ベトナム人留学生アルバイト人材を受け入れて約1ヵ月になる、特別養護老人ホーム「おたきほうむ」。同施設のショートステイ管理者の竹田真司さんに、外国人介護人材についてのお考えや取り組み、直近の状況を伺いました。

社会福祉法人ケアネット

2000年に設立、「狭い地域を深くたがやす」をコンセプトに、東京都中野区南部で地域密着型の介護事業を展開。2013年4月に開所した特別養護老人ホーム・老人短期入所施設「おたきほうむ」は、エントランスに「井戸のある施設」として地元で親しまれる。京風町家をイメージした55の個室のうち、5室がショートステイ対応。入居者が散歩を楽しめる屋上庭園も特徴。

1ヵ月の「お見合い期間」で、長く働けそうか、互いに見極められる

 

 今年(2018年)1月半ばからアルバイトしてくれているベトナム人のビンさんは、3月に2年間の日本語学校を卒業予定で、4月からは介護専門学校に進学(見込み)。当社はその保証人を務め、引き続き当ホームで介護の仕事をしていただこうと思っています。

 今回は、まず1ヵ月のアルバイト期間が試用期間のようなもので、労使共に相手を見極められるのが良いですね。留学生にとっては、自分に介護の仕事が勤まるのかが身を持ってわかりますし、職場として長く勤めていけそうな場所かも考えてもらえるでしょう。私たちとしても、入居者様や職員とうまくやっていける人材か、ポテンシャルを観察できるのはありがたい仕組みです。

 ビンさんについては、申し分のない人材ですので、万一介護専門学校に受からなかったとしても、引き続きアルバイトで働いてもらえれば問題はないと考えています。でも、これまで接してきた外国人の方たちの印象からすると、ビンさんの読み書きや話す力であればまず合格できるでしょう。頭のいい方だなと思います。ぜひ働き続けてもらいたいですね。

 

外国人人材にもお国柄が。ベトナム人は生真面目で、勉強熱心な印象

 

 実は「おたきほうむ」では外国人人材は初めてではありません。日本人配偶者のおられるフィリピン人の女性介護職が3人おり、うち1人は産休中で、長い人は3年になります。ケアネットの他の施設でもアメリカ、中国、フィリピン、ベトナムの方を雇用していますが、ここではベトナムの方はビンさんが初めてです。

お国柄はそれぞれにありますね。フィリピンの方は明るく、ホスピタリティもありますが、遅刻などに甘い印象もあるので、気をつけてあげる必要がありました。ですから採用面接では、遅刻や欠勤などについての考えを掘り下げて聞くようにしています。また、日本に20年以上いる人でも漢字などはあまり書けなかったりしますが、ベトナムの方は学力レベルが高くて読み書きに優れ、自分で調べて勉強される意欲も高い気がします。総じて勤勉、生真面目ですね。

 

優しく話しかけるなど当たりの柔らかさや、勉強熱心な点が好印象

 

ビンさんも、自分でいろいろ調べて勉強しているようですし、気さくな雰囲気なので、30人ほどいる職員からも話しかけやすく、教えやすいと聞いています。就業は、平日午前中は日本語学校があるので2時から6時まで、土日は8時間入ってもらっています。今は、3階建ての1階を担当して、移乗や食事、トイレの介助をお願いしています。入浴介助はまだ見学段階で、もう少し時間をかけて、万一の時に他の職員が駆けつけられる状況下で徐々に慣れていってもらえればと思っています。入居者様への声掛けなども柔らかくできる人なので、「優しい子だね」などと評判も良いですね。

外国の方が現場で苦労するのは、当社はまだ記録が紙とペンなので、手書きの文字の読み書きに慣れる必要があることです。その点でもベトナム人、特にビンさんは日本語レベルも高いほうですし、熱心なのですぐに慣れてくれそうです。印刷の文字については、よく見るものは振り仮名なしでも大丈夫なようですから、安心しています。

外国の方に働いてもらう時に気をつける点は、こちらが伝えたいことがどの程度理解されているのかを、こちらが推し量るべきだということです。けっこう「わかりました」と言われるのですが、次の瞬間の行動で「わかってないじゃないか!」と思うこともあります(苦笑)。言葉自体はわかっても、その意味や自分はどうしなければならないかまで考えられていなかったりするのでしょう。どのレベルまで伝わっているのかを探りながら、コミュニケーションの間合いを互いに計っていくべきでしょう。ビンさんには現時点でたいへん満足で、さらに理解を深めていってもらおうと、リーダークラスの職員とも話しています。

「おたきほうむ」でもケアネットとしても、日本人職員だけで介護の現場は回せませんから、外国人人材を活用していくことは必須です。現場にうまく馴染める、良い人材に一人でも多く出会いたいですし、そのためにいろいろとアンテナも張っています。ユアブライトさんの今回の仕組みでは、アルバイトというお見合い期間を使って、保証人になって介護の勉強をしていただくだけの人材かどうかを見極めることができるというのが安心ですね。べトナム語のfacebookを運用されているのも良いことだと思います。外国人はルームシェアされていることが多く、コミュニティが密なので、人材を紹介してくれることもあるとよく聞きますから。残念ながら当ホームではまだその機会がないのですが、期待はしていきたいです。今後も、良い出会いがあれば積極的に外国人採用にトライしていきたいと思っています。

 

◆ベトナム人留学生 ビンさんの感想

将来はベトナムで介護の会社を興すのが夢、今はそのために勉強を

 

来日して日本語学校に通い、ちょうど2年です。介護の仕事は「おたきほうむ」で初めてですが、おじいさん、おばあさんたちに笑顔になってもらえるのがうれしいです。職員の人たちもいろいろ教えてくれて親切です。アルバイトを始めて1ヵ月で、今は離床のお手伝いや食事、トイレのお手伝いをしています。大変なのは、他の職員さんが書いたメモを読むこと。手書きの文字はちょっと難しいです。わからない言葉などがあれば、インターネットで調べています。自分のわかる日本語で検索し、辞書で確認するんです。最近覚えたのが「シーツ」という言葉。「シーツをとって」と言われて、何のことかわからなかったのですが、もう覚えましたから大丈夫です(笑)。

つい先日、4月から行きたい介護専門学校を受験して、結果を待っているところです。試験は、N3の日本語能力試験と作文と面接でした。面接が、30分ほど話すのですが、とても緊張しました。昨日の朝ごはんは何を食べたか、毎朝何時に起きるか、どうして介護の仕事をしたいのか、あとは日本とベトナムの文化の違いなどを聞かれましたね。

「おたきほうむ」でアルバイトをして、自分には介護の仕事ができるという自信がつきましたし、これから介護の専門学校に行こうと決めることができました。ベトナムは一人っ子も多いですし、これからお年寄りが増えていくので、介護が必要な世の中になっていきます。私は今30歳ですが、将来はベトナムで介護の会社をやるのが夢です。そのために、日本で介護のいろいろなことを経験したいんです。練習、練習、ですね。