みなみ事例紹介

地域ニーズの高い単独型ショートステイ施設の将来を見据えて 留学生と長いお付き合いを

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事例
2018-06-22

社会福祉法人みなみ(東京都)
統括施設長・理事 永倉 一幸 様

江戸川区は「若い区」というイメージ 実際の介護ニーズはきわめて旺盛

 社会福祉法人みなみは、東京都の最東端に位置する江戸川区で介護サービスを提供しています。傘下の施設2か所でショートステイ、デイサービス、訪問介護を行っているほか、関連の株式会社でも1施設を経営。江戸川区全域および千葉県浦安市と、広域の介護ニーズに応えています。

江戸川区は東京23区のなかでも区民の平均年齢が非常に若く、子育てファミリーが多いことで知られます。しかしその反面、70~80年代に建設されたニュータウンでは高齢化が進んでおり、区内の介護需要は高まる一方。なかでもショートステイの需要は非常に旺盛で、2施設の合計41床が常に満床といいます。

「社会福祉法人みなみは、平成12年の設立当初は株式会社でした。それから10年以上にわたり、地域の介護ニーズに応えていくなかで、より地域に密着・貢献し、外部に開かれた運営をするために社会福祉法人に改組したんです」

統括施設長・理事を務める永倉さんは、当法人のポリシーをこう語ります。

「主力のサービスであるショートステイを始めたのは平成15年のこと。近隣の施設と情報交換をするなかで、『在宅介護を支えるショートステイが不足している』ことがわかり、都内初の『単独型ショートステイ』施設を起ち上げました。以来、当法人は『在宅介護応援団』を旗印に、江戸川区全域で活動してきたんです」

東京都江戸川区全域をサービス提供エリアとする社会福祉法人みなみ。写真の江戸川ケアセンターは、主に江戸川区南部をカバーしています。

求人倍率40倍時代!留学生の意欲の高さ、真剣さに賭ける

 永倉さんは大学を卒業後、介護専門学校を経て平成15年に入社。生活相談員を務めるかたわら、スタッフとして介護の現場にも携わってきました。現在では2施設を統括するマネジャーとして人材登用に与る立場です。

「ユアブライトさんのサービスを利用したのは、もう一にも二にも人手不足との闘いです。この少子高齢化が進むなかで、介護専門学校の新卒学生の求人倍率は20倍(!)。この倍率が、日本人の卒業生に限定するとさらに倍(!!)。専門学校生の半分が、すでに外国人になっているということなんです。今年は外国人比率が6割と、さらに増えているそうで……。

 介護のニーズはあります。仕事は山ほどあります。でもとにかく、人がいないんです」

地域に貢献する介護事業者として、安定的に人材を確保していくためには、外国人の登用は避けて通れない道です。それなら、長期的なお付き合いが見込める留学生の紹介を利用してみようということで、ユアブライトとのご縁が生まれました。

 日本中どこでも介護人材の登用は切迫しています。社会福祉法人みなみでは、実は以前にも外国人人材を雇用したことがあったそうです。その時のことを、永倉さんはこう振り返ります。

「長く日本に滞在し、日本人と結婚されて永住している方を採用したこともありました。ですが、なにぶん当たり外れが激しいといいますか……。

今日辞めます、なんてことが何度かありまして、実際に困ったりもしていたもので、最初は外国人の方を採用する難しさを感じてもいたんです。もちろん十把ひとからげにしてはいけないんですけど、どうしてもね。

 もともと研修でお付き合いのあったユアブライトの秋元さんともそんな話をしていました。そうしたら、『留学生のご紹介はいかがですか』と言ってくださいまして。

秋元さんはとてもさわやかで誠実な方ですから、さわやかにだましてるのかな?と思いつつ(笑)ベトナム人の留学生に会ってみたんです。

そこで感じたのは勉強意欲の高さですね。仕事を得るためにわざわざ来日した子たちですから、真剣さが違うなと。ベトナムと日本では所得の水準も違いますから、日本に来るお金を貯めるだけでも大変です。それでもやってきた子たちの覚悟に、賭けてみようと思いました」

明るくてよく笑うタンさん。ご利用者様にも積極的に話しかけ、早くも施設の人気者です。

ベトナム人留学生2名が就業 まじめで意欲があり「得な性格」と

現在、社会福祉法人みなみでは「中央ケアセンター」にベトナム人女性のガンさん(25歳)、「江戸川ケアセンター」にベトナム人男性のタンさん(28歳)がアルバイトで就業しています。

ガンさんを面接した時の印象を、永倉さんはこう振り返ります。

「第一印象はまず、まじめだなと。日本語力はN3レベルで、正直十分なレベルではありませんでした。でも意欲があるのはわかったので、採用しました。そうしたら飲み込みが早いし、指示もちゃんと理解してくれていますね。

採用して1か月半ほど経ちますが、入浴・移乗以外のことはどんどんやってもらっています。もともとが人手不足なのでОJTになっていますが、よくついてきてくれていると思いますよ」

 もう一人のタンさんは、江戸川ケアセンターで早くも職員の方々にも親しまれているようです。施設長の山中佳子さんにお話をうかがいました。

「タンさんはとにかく明るくて、笑顔が絶えないんです。日本語はまだ勉強中ですし、介護も始めたばかりなので試行錯誤もあるのですが、凹まず前向きに学ぼうとしています。得な性格というか(笑)。

仕事ぶりはまじめですし、時間もしっかり守ります。そんな彼ですから、私たち先輩職員も言葉の壁を乗り越えて、一緒に頑張っていきたいと思っています」

 当のタンさんにも、少しだけお話をうかがうことができました。

「わたしは介護の仕事をするのははじめてで、1か月くらいなのでまだわからないこともあります。(お仕事をしてみて、どうですか?)たのしいです。皆さんとてもやさしくて、ていねいに教えてくれます。仕事は月曜から金曜まで、17時~22時ではたらいています。(どうして介護の仕事をしようと思ったのですか?)ベトナムでは医療を勉強していたんです。将来も、介護福祉士の資格を取って、ずっと日本で介護の仕事をしていきたい。いまは28歳で、まだケッコンしてない(笑)まだダイジョブ、仕事を頑張ってから結婚したいです」

 ニコニコ笑顔で、一生懸命自分のことを伝えようとしてくれました。施設でも可愛がられているのがよくわかる、優しい語り口のタンさんでした。

ご利用者様に話しかけるタンさん。いつも視線を合わせて、ていねいな動作で介助を行っています。

ご利用者様のためにも うちの色に染まってくれる人材として

 当法人の人材登用の責任者として、永倉さんはベトナム人留学生たちに大きな期待をかけています。

「いまは2施設に1人ずつ働いてもらっているのですが、あと2,3名は採用したいと動いているところです。やっぱり、仲間がいたほうが安心だと思いますしね。せっかく一生懸命やってくれているので、ぜひ定着してほしいなと。

要は、『スタートラインが違う』ということなんですよね。どういうことかと言いますと……。

日本に慣れていない、すれていない彼らは、何にも染まっていない『白い紙』です。だから、私たちも一生懸命、私たちの介護を教えます。うちの色に染まってくれればと思います」

これが結局、地域貢献を旗印に掲げる社会福祉法人みなみがご利用者様のためにできる一番いい方法だと、自然とその口調にも熱が入ります。

この人手不足のご時世、日本人のスタッフのなかには、条件で簡単によそに移ってしまったり、別の施設のやり方を通そうとしてなじんでくれない方もいたといいます。そんなことでご利用者様をとまどわせないためにも、社会福祉法人みなみのやり方をしっかり身に着けてもらいたいのだそうです。

そのために永倉さんが考えていること。

「少なくとも7年間を超えるお付き合いになりますから、お互いの理解を深めて、よい人間関係を築いていきたいですね。

とにかく活発に会話をするようにしていますし、日本人の方でもベトナム語を勉強してみよう、という話も出ています。気持ちよく、長く働いてくれる環境を作っていきたいですね」

どこまで行っても、人間のつながりと営みで織りなされる介護の世界。

「白い紙」をどれだけ素敵な作品に仕上げるか……それがご利用者様に対する責任を果たすことであり、そこに人を育てる醍醐味が生まれる。永倉さんの言葉はそんな風に聞こえました。

弊社はこれからも、全国の介護事業所様の様々な取り組みを、全力でバックアップしてまいります。