介護老人施設めぐみ

介護老人施設 めぐみ様

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事例
2018-12-03

自施設内で透析が受けられる老健その特色で広域の需要に応える

東京都の最東端に位置する江戸川区で、創立16年目を迎えた医療法人社団自靖会は、医療・介護・在宅のトータルケアを提供しています。

傘下の施設である介護老人保健施設めぐみはクリニックを併設し、外出することなく血液透析が受けられる東京都内でも希少な施設です。当区に加え隣接する葛飾区・市川市を含めた広域から利用者様が集まっています。

一般的な血液透析では、週3回透析施設に通い、1回あたり4~5時間の透析を受ける必要があるため、家族や介護者、そして本人に大きな負担がかかります。自施設内で透析が受けられることは、すべての関係者にとって計り知れないメリットがあるでしょう。

また、当施設では認知症のご利用者も多く、認知症指導者・認知症リーダー研修修了者が在籍。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士も在籍しており、リハビリテーションにも力を入れています。

現在は120床がほぼ満床に近い稼働となっています。基本的には3か月の利用期間の後は在宅や特養などの他施設に移っていただくケースが多いですが、透析などの事情で4,5年ご利用される方もいるそうです。


東京都江戸川区で、医療法人社団自靖会が運営する介護老人保健施設めぐみ。緑道に面した静かな立地で、広々としたきれいな建物です。


「2025年問題」を見据えて外国人材を活用する経験値を蓄える

介護課の副主任で、現場リーダーを務める芝崎さんにお話をうかがいました。

「私どもの施設は職員の定着率がよく、私も9年目になります。現時点では、必ずしも人手不足でどうしようもなくなっているというわけではありません。

が、そこは時代の流れというか……私は現場の人間なので、直接採用などに携わっているわけではないんですが、介護業界を取り巻く事情は存じています。

いわゆる『2025年問題』ですよね」

これから7年後、2025年になると75歳以上の後期高齢者が日本の全人口の5分の1を占めるようになります。一方、若い世代の減少はもはや食い止めようのない域に至りました。であれば当然、この先の介護現場の就業環境は大幅に変化せざるを得ない、という危機意識があるとのことです。

「先を見越して、経験値を作るという意味でも外国人スタッフに働いてもらう機会を作る必要がある、ということですよね」


「ベトナムの方だから」と意識せず長所を生かして育てていく

 当施設では、弊社のベトナム人留学生紹介サービスを利用して、留学生2名がアルバイト就業しています。

「お二人とも女性で、介護の専門学校に通いながら、アルバイト就業しています。先月から働き始めたヅャンさんは22歳、5月から来てもらっているクェンさんは24歳です。ヅャンさんはまだ2回しか働いていないので、今日はクェンさんのことをお話しさせていただきます。

 私は採用には携わっていないのですが、クェンさんは日本語が上手だという触れ込みでした。実際に、意思の疎通はほぼ問題がないですね。なので現場の職員たちでも『ベトナムの方だから』という意識はなくて、日本人の新人の方と同じ感覚で指導しています。

 明るくて素直ですし、笑顔がたえないのがとてもいいですね。これだけ日本語を習得していることからも頭がいいことがわかりますし、積極性もあるので現場での動きがいいです。1度教えたことは、2度目からは外すことなく確実にやってくれるので助かりますね」

 現在の仕事内容は、レクリエーションの参加と食器などの洗い物やシーツ交換、掃除等の環境整備が主で、新たに入浴介助を勉強中とのこと。ご利用者様と積極的にコミュニケーションをとり、皆さんの名前を覚えることから始めてもらったそうです。

「ご利用者様にすると孫に近い感覚ですから、可愛がってもらっているようです。フロアに笑顔が増えたように感じますし、安心できますね。長所を生かせるよう、大事に育てていこうと思っています」


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さわやかなピンクのTシャツが似合うクェンさん。とても賢く前向きな女性で、早くもご利用者様の人気者だとか。


「成功体験」を積み重ねリーダーとしての経験と自信を

 クェンさんは認知症の方のフロアで勤務しています。認知症の方への対応は介護という仕事の中でも奥が深く、その部分は今後指導を行っていくとのこと。まずは入浴介助をしっかり身につけ、それから食事介助、おむつ交換と1つ1つステップを踏んでいく予定です。

「クェンさんの働きぶりを見ていると、食事介助もおむつ交換も教えればすぐできると思います。ですが、いまはあえてゆっくり。1つ1つ確実にマスターしてもらうことを優先しています。

 ご利用者様とのコミュニケーションも積極的にとってくれていますが、話のネタが尽きるというところもあるのか(笑)、もっとやりたいですと言ってくれるんですね。でもそこはあえてゆっくりで。

こちらが焦ることで不要な挫折感を味わわせてしまうことは避け、『成功体験』を積み重ねてもらおうと思っています」

 クェンさんには将来、今後増えていくであろうベトナム人スタッフのリーダーとして活躍してもらいたいという施設側のビジョンがあります。そのために、1つ1つの作業を完璧にこなせるようになり、自信をもって仕事に臨めるよう、根気よく育成しているそうです。

「ベトナム人の方からすると、ご利用者様の名前を覚えたり、配膳の時のご利用者様によって異なる箸や食器の置き方を覚える際に少し苦労があるようです。ベトナム語は漢字がありませんし、生活習慣の違いもありますのでね。

 そういったことは個別に対処していけばいいことです。現場で必要なことを1つ1つ解決していくことで、クェンさんと日本人職員のコミュニケーションが自然に深まっていきますし、非常に順調に進んでいると思いますよ」

 芝崎さんの評価が極めて高いクェンさんです。ヅャンさんともども、当施設の未来を支える人材となってくれることを期待されています。


レクリエーションに参加し、ご利用者様に話しかける一コマ。冗談を言われビッグスマイルがこぼれます。


ご利用者様の気遣いに感動……介護の仕事を天職へ!

 クェンさんにお話を聞く時間をいただきました。これまで多くのベトナム人留学生の方々にお話を聞く機会がありましたが、なかでも彼女は際立って日本語が上手。聞いてみれば日本語能力試験の成績はN2、道理で達者なわけです。

「2015年の10月に日本に来て、もうすぐ3年になります。介護の専門学校に通いながら、今年の5月からめぐみで毎週土曜日、8時~17時で働いています」

 笑顔を絶やさず、優しく控えめな印象のクェンさんです。彼女はどのような経緯で、遠い異国で介護の仕事をするに至ったのでしょうか?

「ベトナムでは教員養成大学に通っていました。でも勉強しているうちに高齢者のケアに興味が出てきて、理学療法士の勉強に切り替えたのですが、日本が高齢者ケアの分野では先進的な国だと知り、勉強しに来たんです。

 いまは食器などの洗い物や居室の環境整備、入浴介助をしています。仕事の中では、お風呂のお世話やご利用者様とお話しするのが楽しいです」

 自分の興味関心を追求するために日本にやってきたクェンさん。その旺盛な向上心が仕事にも生かされているのでしょう、クェンさんの話はまだまだ尽きません。

「お食事の介助やおむつ交換はまだしていませんが、挑戦してみたいです。

 ご利用者様は優しい人が多いし、感動することもあります」

 か、感動……? どんなことでしょうか。

「お年寄りの人たちは車いすで大変なのに、笑顔で接してくれます。それがうれしくて感動します。『ありがとう』と声をかけてくれるのもうれしいし、いろんな介助を勉強していきたいです」

 介護の仕事をしていくうえで、やはりご利用者様との心の交流は大きなやりがいや支えになります。それを実際に体験し、クェンさんのやる気はどんどんチャージされているようです。

ところで、日本の生活にはなじめているのでしょうか……?

「弟と同居して、助け合いながら生活しているので安心です。両親ともよく動画で話しています。

 日本語は最初は難しかったのですが、学校以外でも家で勉強したり、アルバイト先の日本人の方と話すようにして勉強しています。

 それでも、職員さんやご利用者様が言ってくれたことがわからないこともまだあるので、これからも日本語の勉強を頑張ってコミュニケーションがうまくとれるようになりたいです。

 お休みは日曜日で、寝坊します(笑)。料理が好きなので作ったり、キリスト教の教会は毎週行っています。ベトナム人の友だちと

は買い物、食事に行きます。日本のラーメンはおいしいですね。高尾山はとても景色がきれいなので好きです」

 普段の生活も日本語力の向上につなげ、堅実に生活している様子がうかがえます。

 日本は安全で優しい人が多く暮らしやすい反面、物価高には苦労もあるようで……それでも、両親に援助を頼みたくはないので頑張ります、と健気に話してくれました。

 日本でずっと介護の仕事をしていきたいと、柔和ながらも強さを込めて語ってくれたクェンさん。芝崎さんや他の職員さんの温かい視線に見守られ、リーダーに育っていってくれることを心から祈っています。

「再来年には専門学校を卒業して就職します。介護福祉士と、ケアマネの資格も取りたいです。介護の仕事は興味があるし、学校の友だちも『クェンは優しいから介護に向いてるね』と言ってくれています。

 最低でも10年は日本で仕事をすると決めています。その先はまだわからないけど、ベトナムに帰ったとしても介護の仕事を続けていきたいです」