外国人が日本で働くためには、就労できる在留資格(就労ビザ)の取得が必要となります。

外国人を雇用する企業では、採用の条件としてまずはじめに、就労ビザを取得している外国人であることを確認しましょう。

就労ビザの種類について

現在、日本で認められている就労ビザは、19種類あります。

●外交:外交使節団の構成員、外交伝書使など

●公用:外交使節団の事務及び技術職員並びに役務職員など

●教授:大学教授、助教授、助手など

●芸術:作曲家、作詞家、画家、彫刻家、工芸家、写真家など

●宗教:僧侶、司教、宣教師等の宗教家など

●報道:新聞記者、雑誌記者、編集者、報道カメラマン、アナウンサーなど

●高度専門職:高度な資質・能力を有すると認められるもの

●経営・管理:会社社長、役員など

●法律・会計業務:弁護士、司法書士、公認会計士、税理士など

●医療:弁護士、司法書士、公認会計士、税理士など

●研究:研究員、調査員など

●教育:小・中・高校の教員など

●技術・人文知識・国際業務:理工系技術者、IT技術者、外国語教師、通訳、コピーライター、デザイナーなど

●企業内転勤:同一企業の日本支店(本店)に転勤する者など

●介護:介護福祉士の資格を有する介護士など

●興行:演奏家、俳優、歌手、ダンサー、スポーツ選手、モデルなど

●技能:外国料理の調理師、調教師、パイロット、スポーツ・トレーナー、ソムリエなど

●特定技能:特定産業14分野にの知識または経験を必要とする技能/熟練した技能を要する産業に従事するもの

●技能実習:海外の子会社等から受け入れる技能実習生、監理団体を通じて受け入れる技能実習生

日本で働く外国人はどの就労ビザが多い?

2020年10月時点の厚生労働省発表の在留資格別外国人労働者数によりますと、外国人労働者数は 1,724,328 人。

前年度と比べて65,524 人(4.0%)の増加となっっています。

日本の在留資格取得者で最も多いのは、「身分又は地位に基づく在留資格」で546,469 人。

「身分又は地位に基づく在留資格」とは「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の

4種類です。

就労できる在留資格別(就労ビザ別)に見ますと「技能実習」が 402,356 人(外国人労働者数全体の23.3%)で

一番多く、次いで留学生などの「資格外活動」が370,346 人(同21.5%)、「専門的・技術的分野の在留資格」が

359,520 人(同 20.8%)となっています。

在留人数の多い「技能実習」から「特定技能」への変更

就労ビザの中では一番多い「技能実習」は、劣悪な職場環境などによる失踪問題などが多発し、制度内容の問題視もされています。

留学生が働くための「資格外活動」では、28時間労働制限を超えた不法就労のケースなどがあり、在留外国人数の増加に伴い問題となるケースも多く発生しています。

同じく就労ビザの「特定技能」では、技能実習制度や留学生受け入れによる問題を改善する方針で設けられた制度です。

現在は、コロナ禍の移動制限による影響や、送り出し機関と受け入れ機関の連携がうまく運用されていないことなどから、「特定技能」は想定外の増加率となっています。

一方、現在、外国人採用活動で注目されているのは、「技能実習」から「特定技能」への在留資格変更の手続きです。新規、海外からの特定技能外国人の受け入れは、一時保留状態のまま、技能実習生からの移行が現況の特定技能外国人となっています。

このような就労ビザの資格変更が、企業の求める外国人の雇用に大きく影響して行くことが見込まれています。

就労ビザと自社業務とのマッチング

採用を検討している外国人がどの就労ビザを取得しているかは、企業の人事で一番はじめに確認しておきたい注意点となります。

自社業務で求める雇用計画に合わせた就労ビザを持つ外国人を選ぶことが必要となります。

外国人採用時の確認事項:

・就労ビザであること。または資格外活動許可を取得していること。

・外国人の就労ビザが、自社で採用したい部署や業務に合った活動が可能であること。

・雇用期間と在留期間があっていること。

・長期雇用を見込んだ場合、就労ビザの在留期間を確認すること。

・外国人が不法就労者でないこと。

在留資格による活動範囲を超えた雇用に対しては、不法就労助長罪で3年以下の懲役または300万円以下の罰金

となりますので、雇用する外国人の在留資格の確認は重要です。

就労ビザ(在留資格)の管理が必要

外国人を雇用する企業では、雇用した後も継続して、外国人の就労ビザについて、活動内容や在留期間、更新手続きについてなどの管理が必要となります。

就労ビザや在留資格の管理は、外国人の所持している在留カードの内容に記載されている事項を基準に雇用管理をすすめましょう。

特定技能外国人や技能実習生の場合、在留資格の管理を本人だけでは対応できないため、外国人を雇用している企業や支援機関などの管理下で成り立っています。

「身分又は地位に基づく在留資格」である「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の

4種類の外国人の場合は、就労制限がないため、雇用する企業も採用基準にあった外国人を選びやすくなり、

在留資格の管理も外国人本人ができるので日本人社員に近い対応が可能となります。

まとめ

外国人が日本で働くための就労ビザについて説明いたしました。企業で外国人を雇用する際には、

就労ビザを取得していることや、在留資格の変更などについて確認し、外国人と企業がよりよい雇用関係を築けるようにしていきましょう。

この記事を書いた人

shyu

海外在住ライター/ネパール国籍の配偶者と日本国籍の息子と日本人の私の3人家族。カトマンズに12年暮らす。 海外に住むということは、国籍はもちろん生まれも育ちも違う者どうしが、なんらかの関係性を保ちながら生きる修行をしているようなもの。 今後、日本で暮らし働く外国人が増えて行くことが予想される中、その動向を外国人の心情に寄り添った視点で発信していきたい。

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