少子高齢化の影響により、コロナ下であっても人手不足が常に続いている介護分野。特に、現在は外国人の新規入国がストップしている影響により、入国する予定であった介護の外国人材も入国することができないため、その外国人をあてにしていた介護施設では人手不足がより深刻となっている場合もあります。

今回はそんな介護分野での外国人受け入れ予定について特定技能制度を中心に解説をします。

介護分野での外国人受け入れ予定について

現在、介護では複数の在留資格が発表されていますが今回はそんな中でも技能実習制度と特定技能制度での介護分野の受け入れ予定について解説をしていきます。

特定技能制度が始まった際に政府が14分野ある特定技能の分野それぞれの今後5年間の受け入れ目標人数を設定しております。

介護分野では60,000人の目標設定がされており、コロナの影響で14分野すべてで目標人数到達するには程遠い人数の外国人が特定技能の在留資格を得ており、介護分野も同様に人数は低水準にとどまっているため、2021年3月末時点で日本に特定技能介護の在留資格で在留をしている外国人は1,705人にとどまっています。

現在では、国内にいる外国人留学生や技能実習2号以上を修了した外国人が元々は違う職種で技能実習をしていた場合でも、特例措置で許可をされている特定活動を使って介護分野で就労をする場合もあります。

外国人が介護分野にて特定技能の在留資格を得るための要件について

特定技能の介護分野にて在留資格を得るためには、具体的に下記①~④の方法があります。

特定技能の他の分野と比べても、介護の特定技能の在留資格を得るための方法は多いです。

①技能試験と日本語試験に合格をする

介護技能評価試験に合格をして、日本語能力の証明のために国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上及び介護日本語評価試験に合格をする必要があります。

日本語能力の証明については特に注意が必要で他の職種であれば”国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上”だけを満たせば良いですが、介護分野の場合はさらに介護日本語評価試験に合格をする必要があります。

②介護の技能実習2号以上を修了する

技能実習で2号(2年10カ月以上)の期間技能実習を修了した場合には試験や日本語能力の証明も免除をされて

介護の特定技能の在留資格を得ることができます。

➂介護福祉士養成施設を修了する

最短で2年以の期間(短大や専門学校の場合)養成施設に通うことで介護の特定技能の在留資格を申請する権利を得ることができます。

④EPA介護福祉士候補者在留期間(4年間)を満了する

EPAとはインドネシア国籍、フィリピン国籍、ベトナム国籍の外国人に関しては看護師・介護福祉士候補者を受け入れして支援するための枠組みがあり、介護では4年間就労・研修をすることになっているため、4年間を満了した外国人に関しては無条件で介護の特定技能の在留資格を得ることができます。

技能実習制度を利用して介護分野での受け入れ予定

2017年11月に技能実習制度に追加された介護職種は2020年10月には約18,000件の技能実習計画が認定を受け入れております。他の技能実習の職種と比べて細かなルールが定められており、日本語能力についても日本語検定4級以上が求められています。

また、受け入れ企業に求められる要件についても他の職種と比べて厳しいため、受け入れの前には事前準備に時間がかかります。

外国人介護人材受け入れ推進についての政府の取り組み

日本政府は今後受け入れが急増していくと見込まれる介護分野での外国人受け入れについて、円滑な受け入れ実現のための以下の環境整備に取り組むことを発表しています。

①特定技能になるための介護技能評価試験についての環境整備

国内外で実施されている技能実習の経験などが無い外国人が直接特定技能として介護の分野で就労したい場合には介護技能評価試験に合格する必要があります。

その試験を受験して合格する外国人を増やす為にも、政府は試験回数の増加や海外での受験の機会の増加について注力すると発表しています。

②特定技能になるための介護日本語評価試験についての環境整備

①と同様に特定技能として介護分野で就労を希望する外国人が合格する必要のある介護日本語評価試験についての試験回数の増加や海外での受験の機会の増加について注力すると発表しています。

➂外国人介護人材の受け入れを促進する活動

外国人介護人材の受け入れ数を増加させるためのPR活動などを積極的に行うとしています。

④外国人介護人材の受け入れを支援する活動

介護の受け入れ施設などにて、介護技能向上のための集合研修などを積極的に実施していくと発表しています。

具体的な支援活動として、都道府県、指定都市、中核市が実施主体となり、介護の技能実習生や特定技能外国人の受け入れ施設などが行う集合研修などに必要となる経費に対して補助をすることが挙げられます。

補助の対象には技能実習生や特定技能外国人に対して研修を実施できる講師の養成や、技能実習生や特定技能外国人を雇用する介護施設などで技術指導を行う職員を対象にした研修を実施するために必要な経費などが対象予定となっています。

⑤介護の日本語学習支援事業

介護分野にて就労している外国人が日本語学習を自律的に行うための環境を整備するため、介護分野での日本語学習をするためのWEBコンテンツの開発・運用などを実施すると発表しています。

すでに開発・運用を行っており、2019年の時点で特定技能評価試験のための学習テキスト作成や公表を行っています。

⑥外国人介護人材の相談支援事業

介護分野にて就労している外国人が悩みなどを相談できる体制を整え、全国各地にて相談会や交流会の開催をして、介護の特定技能外国人が就労している受け入れ施設へ巡回訪問などを実施すると発表しています。

電話やメール、SNSにより相談対応をすることができる体制の整備を進めており、既に全国各地にて外国人介護人材のための相談会や交流会を開催しています。

2019年4月より施行された特定技能制度を使った介護の外国人受け入れについては、さまざまな介護の在留資格の中でも1番新しい在留資格を使った受け入れとなるため、法律やその他の取り決めについても頻繁に変わるため、日々勉強をして正しい情報を得ていく必要があります。

政府の取り組みの中でも紹介をしたように、特定技能については新しい制度ということもあり、特に注力して推進をすることが予想されます。

介護分野に関しては既に5年間で60,000人の外国人を特定技能制度で受け入れすることを発表しており、この人数設定は14分野ある特定技能の分野の中でも一番多い人数となっております。そのため、目標達成のためにコロナの収束後はさらに注力することが予想されます。

まとめ

今回は今後の介護分野での外国人の受け入れ見込みを特定技能制度を中心に紹介しながら、外国人介護人材受け入れ推進についての政府のとりくみについても解説しました。

介護分野については特定技能制度を使う以外も、複数の在留資格が設けられているため、どの在留資格で受け入れするのが良いか、事前に良く検討をする必要があります。

政府が特に外国人の活用を推進している分野であることは間違いないため、正しい知識を身につけて受け入れを実現して下さい。

この記事を書いた人

ヤマシタハヤト

ユアブライト株式会社 海外人材担当 主に特定技能に関する情報を発信しております。

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